「エコトイ」活動が、グリーン購入大賞「優秀賞」を受賞されたそうですね。
「エコトイ」活動は開始から間もないのですが、分かりやすい表示で子どもたちに環境への関心や理解を深めてもらおうという取り組みです。おもちゃを選ぶときにグリーン購入を学ぶ機会をつくっていること、子どもたちやその家族に対して商品パッケージだけでなく、イベントやマーケティング活動を通じても積極的に環境意識の訴求を行っていること、業界他社に先駆けた自社基準の環境ラベルを構築していることなどが「グリーン購入ネットワーク(GPN)」さんに評価され、「第13回グリーン購入大賞」において「優秀賞」を受賞しました。
「グリーン購入ネットワーク」さんは、全国2,500を超えるさまざまな団体が参加する企業・行政・消費者のネットワークです。「グリーン購入ネットワーク」さんから見ても、当社の取り組みはおもちゃを媒体とすることで、グリーン購入の新たな分野を創出しているという点が興味深いと感じていただいたようです。
他業界の方にお話を伺うと、どうしても大人を対象とした訴求や取り組みが中心となることが多いそうですが、当社では、おもちゃを通じてダイレクトに子どもたちに対してコミュニケーションを図ることができます。また、子どもたちが自ら選び、購入する商品のパッケージに「エコ」に関する情報を掲載することで、グリーン購入へのきっかけづくりになればと期待しています。
現在、テレビCMでも「エコトイ」マークを表示することや、子どもたちに店頭で無料配布しているトミカ&プラレールカタログ、当社のホームページ、「おもちゃショー」や「エコプロダクツ展」といった出展イベント、全国各地で開催される「トミカ博」や「プラレール博」というイベントなどでも、来場される方々へ「エコトイ」活動の訴求を行っています。このように、商品購入時だけでなく、あらゆる媒体を通じてその後のコミュニケーションもしっかりと図っています。そのような面も期待され、受賞につながったのではないでしょうか。
貴社が環境関連で受賞されたのは、グリーン購入大賞が初めてなのですか。
それ以前では、2010年度「グリーン物流優良事業者表彰(経済産業省商務流通審議官表彰)」を受賞しています。実は、2009年4月からパナソニック株式会社さんと「長距離大型CNGトラック(大型天然ガス車)」を用いて、関東と関西で異業種間共同輸送を実施しています。
これは、パナソニック株式会社さんは商品を関東に運び、当社のおもちゃを積んで関西へ戻るといった取り組みです。この取り組みにより、ディーゼル車による片道運航の実施と比較して、窒素酸化物90%削減、CO2排出量43トン/年削減、粒子状物質(PM/Particulate Matter)ゼロを実現しました。
また、環境関連での受賞とは少し外れてしまいますが、当社の商品に、「i-SOBOT(アイソボット)」という世界最小(身長16.5センチメートル)の、2足歩行の人型ロボットがあります。この商品が、日本の技術を象徴するおもちゃであり、繰り返し充電できる単4型のニッケル水素電池を使用している点が評価され、2008年の「北海道洞爺湖サミット」で各国の参加者におみやげとしてプレゼントされたこともあります。
「エコトイ」以外でも、貴社の商品では環境に配慮した工夫がなされていますね。
「ガチャカプセル」の省資源化(エコガチャ)が代表的なものですね。実は、株式会社バンダイさんと当社グループ企業の株式会社タカラトミーアーツだけでも、年間で億を超える数のカプセルを製造しています。
カプセルはプラスチック製なのですが、200円の商品が入ったものでは、65φ(※直径約65ミリメートル)という統一規格で製造されています。しかし、その一部を48φとコンパクト化することで、使用するプラスチックを軽減し、生産にかかるCO2排出量の削減に貢献できます。また、商品サイズに合わせたカプセルのコンパクト化で1個の重さも約21グラムから約11グラムへと軽量化したため、輸送時に発生するCO2排出量の削減にも貢献できるのです。なお、キズがつかないようにするなどの理由で商品をカプセルに入れていますが、それ自体がごみとなってしまうのを避けるために、カプセル部分が商品の一部になっている「カプセルレス商品」の販売も行っています。
- 環境問題への注目が高まった2008年にECOプロジェクトが発足
- 「共遊玩具」がベースとなった「エコトイ」
- 「エコトイ」の4つの基準と具体的な工夫
- 社外で高い評価を受ける「エコトイ」のユニークな取り組み
- 「思い出」や「思い入れ」のあるおもちゃに新たな命を
- 社内・社外における積極的な活動
- 「おもちゃ」と「子どもたち」がこれからのキーワード
(c)TOMY
「トミカ」はタカラトミーの登録商標です。