貴社では他社さんとの共同やイベントなどで、積極的に活動を行っているそうですね。
他社さんと一緒の取り組みとしては、昭和シェル石油株式会社さんの環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○と×」が代表的といえるでしょう。
「わたしのまちの○と×」は2005年からスタートしており、「いつまでも残したい」と思う写真と「すぐにでも変えたい」と思う写真を2枚一組で撮ってもらい、コメントを添えて送ってもらいます。撮影者自身が前者には「○」を、後者には「×」を付けます。タカラトミーでは、第1回から「協賛」という形で参加させていただいております。
一般部門だけでなくジュニア部門もあり、全国の小学校・中学校に応募用紙が配られ、毎年多数の作品の応募が寄せられます。なお、協賛企業賞として「株式会社タカラトミー賞」も設けられています。
昨年(2011年)6月には、社内啓発の一環であることに加え、来社された方にも見ていただく目的で、タカラトミー本社1階でも受賞作品の展示を行いました。
本社の近くには葛飾区役所があります。当社では地元発信による環境活動も重要だということで、区民・事業者・区が協働して温暖化防止に取り組む「葛飾区地球温暖化対策地域協議会」に参加しており、毎年夏に商店街を挙げて開催される「立石フェスタ」というお祭りでは、子どもたちと一緒に打ち水を実施しています。
昨年は、「エコプロダクツ展」にも初めて出展しました。エコプロダクツ展のテーマゾーン「ジュニアグリーンスクール」で「エコトイ」を通じて、遊びながらエコへの「気付き」を実際に持ってもらおうという目的で「エコトイ」ブースを出展しました。
ブース内では「せんせい」や「テコロジートミカ」など、実際に「エコトイ」で遊んでもらったり、手回し発電機を通じて子どもたちに省エネルギーを体験してもらったりしたのですが、従来の豆電球とLED電球との負荷の違いを知ってかなり驚いていました。小さなブースだったにもかかわらず、約2,000人以上の子どもたちが参加してくれました。
また、具体的なおもちゃの工夫を紹介し、実際に体験してもらった後、自分でおもちゃを企画する「エコトイ企画」を募集しました。数百ものアイデアをいただき、空気の力で走る乗り物や、発電して飛ばすことのできる飛行機など、斬新な企画が数多く集まりました。寄せられた企画の一部については、後日当社ホームページのブログのコーナーで発表させていただいております。
「エコプロダクツ展」の期間内の1日(12月16日)は授業のような形式の「エコプロ教室」を実施し、2つの小学校、50名ほどの生徒に参加していただきました。そこでも「エコトイ」について学んでもらった後、発表形式で「エコトイ企画」の時間を設け、生徒さんたちにチームに分かれてアイデアを発表してもらいました。
「エコトイ企画」で集まったアイデアのなかで、商品化される可能性の高いものもあるのですか。
集まったアイデアでは、ソーラーパネルに関する内容がとても多かったですね。ソーラーパネルを使った商品は、すでに当社でも数多く販売しています。子どもたちのアイデアがそのまま商品になるというのは難しいのですが、その内容を見ると私たちにとってはかなり刺激になりますね。
このようなイベントでの子どもたちとのコミュニケーション以外でも、今年(2012年)1月に2万人規模の「エコトイ」に関するアンケートを行っており、その際に記載いただいた内容も、商品企画の参考や商品の基準を考えるきっかけになっていると思います。
オフィス内でも、環境に関する活動をなさっているのですか。
総務・建物管理・リサイクル・環境の部門の社員からなるグループ横断的な「環境e委員会」という会議体を設けており、定期的に社内の環境活動について話し合いを行っています。
昨年は、3月11日の東日本大震災の発生後、それまでの「環境e委員会」が包括された「節電対策委員会」が発足しました。「節電対策委員会」では、他社さんでも行っている照明の間引きや空調の28℃(夏季)・20℃(冬季)の徹底など、タカラトミーグループ各社のオフィス内で節電活動を進めています。夏の間は本社受付の隣にモニターを設置し、社内の電力消費量をグラフによって「見える化」することなども実施しました。
さらに、「節電対策委員会」だけがアイデアを出すのではなく、多くの部署、さらには全社員から募集したのです。ひとりで複数の案を出してくれた社員もいて、約700ものアイデアが集まりました。アイデアのなかから節電に貢献できるものをピックアップし、少しずつですが実施しています。
代表的なものでは、夏に社内に風鈴棚を設置しました。南京風鈴と江戸風鈴の2種類を購入してきて、大きな棚やゲートをつくって出入り口に設置したのです。お客さまが通過するたびに音が鳴るので、涼しさを感じさせながらお出迎えやお見送りができると好評でした。
本社ビルの玄関にミストシャワーを設置し、温度が最も高くなる時間帯に水を噴霧することで暑さを和らげたり、社員を対象とした足水コーナーも設置しました。
また、当社では、東京都が推進するワークライフバランス(仕事と生活の調和)に賛同しており、昨年は社員の子どもたちが職場を訪問する「ファミリーデー」というものを実施しましたが、社員の子どもたちが訪問した際に、体温を下げて節電するという意味で、かき氷を配ってみんなで一緒に食べました。
ほかにも、20メートルにわたる長いグリーンカーテンや、エコキャップ活動など幅広く実施しています。
緑のカーテンでは、ゴーヤやキュウリを育てて食べたりしたのですか。
そうですね。ゴーヤやキュウリ以外に、ナスやトマトなども栽培しました。当社の青戸ビルにはお客様相談室があるのですが、そこでは楽しみながらネットいっぱいに生い茂ったグリーンカーテンをつくって、温度を下げる効果を実感していました。
- 環境問題への注目が高まった2008年にECOプロジェクトが発足
- 「共遊玩具」がベースとなった「エコトイ」
- 「エコトイ」の4つの基準と具体的な工夫
- 社外で高い評価を受ける「エコトイ」のユニークな取り組み
- 「思い出」や「思い入れ」のあるおもちゃに新たな命を
- 社内・社外における積極的な活動
- 「おもちゃ」と「子どもたち」がこれからのキーワード
(c)TOMY
「トミカ」はタカラトミーの登録商標です。