九都県市とは、具体的にはどこなのですか。
九都県市とは、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の1都3県と、政令指定都市である横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市です。
これらの地域では、ごみ問題やリサイクル問題などに共同で取り組んでおり、「九都県市首脳会議廃棄物問題検討委員会」という組織を構成しています。ビックカメラはその委員会と一緒になって、モデル事業を進めています。具体的には、今年の10月から11月末までの2カ月間、ビックカメラ・コジマ・ソフマップの3社の対象店舗で小型家電の回収を実施しています。
九都県市の委員会には、小型家電リサイクルキャンペーンのポスター作り、小型家電リサイクルへご協力をいただいたお客様へのプレゼント(抽選でビデオカメラやソーラーライトをプレゼント)などでご協力をいただいています。
当社では環境問題、特にリサイクルに積極的に取り組んでおり、小型家電リサイクル法が成立・施行されることに加えて、首都圏を中心に店舗を展開していることもあって、九都県市と一緒にモデル事業に取り組んでいるという流れになります。
「九都県市小型家電リサイクルキャンペーン」では、かなりの数の小型家電が店舗で回収されているのですか。
今回はモデル的なものとして実施していることもあり、同キャンペーンではそれほど多くの数を回収しているわけではありません。
消費者の方には、店舗まで持ってくるという点が手間と感じる人が多く、小型家電のリサイクル制度の重要性についても広く知られていないようです。そのため、当社では来年の夏以降、本格的に小型家電リサイクル法にのっとって、お客様が持ってくるのを待つだけでなく、家電製品を配達に伺う際に不要な小型家電を回収する、買い取るといった形で積極的に推進したいですね。
現状では、法律(廃掃法/廃棄物の処理及び清掃に関する法律)によってそのようなことが禁止されているのですが、小型家電リサイクル法の施行により再資源化得を行う事業者の認定を受けると、廃掃法の適用除外となり、回収や買取が可能となります。お客様の古くなったデジタルカメラや携帯ゲーム機などを、回収することができるようになるわけです。ただし、電子レンジや掃除機はリサイクルする側に費用がかかるため、有償で回収することになるでしょう。
小型家電とは、どのようなものを指すのですか。
デジタルカメラ・電話機・ゲーム機・デジタルオーディオプレーヤー・電子辞書などが該当します。これらの機器では、基盤を取り出して金・銀・銅・パラジウムなどの有用・希少金属を確保します。
小型家電リサイクル法では家電量販店よりも、自治体が回収の主体として期待されています。自治体と再資源化事業者が組んで回収やリサイクルを進めることは努力義務であり、法律で罰則が設けられているわけではありません。当社では関東圏の自治体と、小型家電の回収やリサイクルについて話し合いを進めています。
回収される小型家電に含まれる資源価値に違いはありますか。
小型家電リサイクル法ではでは、96品目の小型家電のなかでも、資源価値が高い16品目が特定品目となっています。調べてみると、特にどれが多いというわけではありません。特定品目以外の小型家電の場合容量が大きくて資源価値は少ないものについては、処分費をいただいてリサイクルすることになります。
小型家電の回収は、環境への配慮もありますが、レアメタルの確保という点が大きいのでしょうか。
そうですね。小型家電リサイクル法の目的のひとつは、資源小国としての資源の活用・再利用にあります。ごみとなるものの中には海外で処理をされるものもあるのですが、不適切な処理によってその地域の環境を悪化させているという問題も生じています。そのため、国内でなるべく再利用を進めていこうというわけです。
- 第一号のエコ・ファースト企業に認定
- 店舗での「九都県市小型家電リサイクルキャンペーン」の実施
- 内閣総理大臣も家電リサイクルの様子を視察
- リサイクルだけでなくリユースにも取り組める体制
- 法律の施行に合わせて小型家電のリサイクルを積極的に推進