今回の「エコなニュース」は、「ENEOS(エネオス)」ブランドやマスコットキャラクター「エネゴリくん」でおなじみのJX日鉱日石エネルギー株式会社様の取り組みをご紹介。
JX日鉱日石エネルギー株式会社様では、家庭用燃料電池「SOFC型」エネファームの開発や「ENEOS わが家で創エネ・プロジェクト」の推進など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。
環境・品質本部 社会環境安全部社会環境グループマネージャー 萩尾洋様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
環境に関する取り組みを始めたきっかけをお聞かせください。
2010年4月に、新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社が経営統合して、「JXホールディングス株式会社」が誕生しました。さらに、同年7月1日には全事業がJXホールディングス株式会社の傘下に統合・再編されて、石油精製販売・石油開発・金属という3つの中核事業会社が発足し、JXグループとして新たにスタートしました。同グループのなかで、石油の精製販売を担っているのが当社というわけです。
新日本石油株式会社は石油、新日鉱ホールディングス株式会社は金属と石油を扱う企業であり、どちらも石油の精製・販売が事業の中核でした。石油の精製過程では大量のエネルギーが必要であり、大気へは排ガス、海や川へは排水を放出するということで、経営統合する以前から両社とも環境への対策は大きな課題だったのです。
そこで、JX日鉱日石エネルギー株式会社の発足当時から、本社に社会環境安全部という部署が設けられました。なお、各製油所や製造所には環境安全を担当する組織が設置されており、事業活動において生じるさまざまな課題に即応できる体制をとっています。
そういう意味では、環境への取り組みはかなり以前から行っており、経営の重要課題のひとつであったといえるでしょう。
ここで、当社の位置づけを理解していただくためにも、JXグループの概要を説明しておきます。JXグループの理念として、「JXグループは、エネルギー・資源・素材における創造と革新を通じて、持続可能な経済・社会の発展に貢献します。」ということを掲げています。そして、その理念を実現するために、「EARTH」という5つの価値観に基づいて行動することとしています。
JXグループの行動指針である「EARTH」とは、「Ethics(高い倫理観)」「Advanced ideas(新しい発想)」「Relationship with society(社会との共生)」「Trustworthy products/services(信頼の商品・サービス)」「Harmony with the environment(地球環境との調和)」という、5つの価値観の頭文字を取ったものです。このように、5つ目にグループ全体として地球環境保全に取り組むことを述べています。
それを受けて、当社では環境をCSR活動の重要テーマに位置づけて「JXエネルギーグループ環境方針」というものを策定しています。この環境方針を基に「JXエネルギーグループ中期環境経営計画」を策定し、環境活動を進めています。多くの企業でも、事業目標を達成するために中期経営計画などを策定するかと思いますが、当社ではそれと同様に環境についても策定しているわけです。中期環境経営計画を推進する期間は、2010年度から2012年度の3ヵ年となります。
当社公式サイト内のトップメッセージでは、地球環境との調和を目指して、環境負荷の低減に貢献するエネルギーを提供することが、社会的使命であるという趣旨の内容が記載されています。このように、全社で環境問題に対して取り組んでいくことを掲げているわけです。
「JXエネルギーグループ中期環境経営計画」の内容、具体的な目標についてお聞かせください。
当社で進めている環境活動のほとんどが、「JXエネルギーグループ中期環境経営計画」に集約されているといえるでしょう。
当社のホームページにも掲載されているのですが、内容には「地球温暖化防止・生物多様性保全策の推進」「継続的な環境負荷低減」「環境マネジメント体制の充実」という3つの重点テーマが設けられています。
1つ目の「地球温暖化防止・生物多様性保全策の推進」では、環境にやさしい商品・サービスの提供と開発、サプライチェーン全体としてのCO2削減など、4つの具体策を掲げています。さらに、環境にやさしい商品・サービスの提供と開発の取り組みの内容として、“環境配慮型の燃料油・潤滑油・石油化学品の開発・拡販を推進する。”“次世代技術(燃料電池・太陽電池・蓄電池・水素利用技術等)の開発・拡販を推進する。”と定めています。
後述する当社の環境配慮型製品である、家庭用燃料電池「エネファーム」や環境ハイオク「ENEOS ヴィーゴ」、パラフィン系潜熱蓄熱材「エコジュール®」などの開発や拡販については、この「地球温暖化防止・生物多様性保全策の推進」に含まれることになります。
- 環境対策は統合以前からの重要課題だった
- エネルギーを効率的に使う発電と給湯がエネファームの魅力
- ガソリンでカーライフと地球環境をサポート
- 省エネ”と“創エネ”の実現を目指す
- 地域社会との交流を深める環境保全
- お客様と一緒に取り組むことが必要