JX日鉱日石エネルギー株式会社

エネルギー

環境対策は統合以前からの重要課題だった

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JX日鉱日石エネルギー株式会社

家庭用燃料電池「エネファーム」についてお聞かせください。

エネファームは、今では多くの方々が知っているかもしれませんね。これは、簡単にいえばLPガスや都市ガスを使って電気をつくるシステムです。当社では昨年(2011年)の10月17日に「SOFC(固体酸化物形燃料電池/Solid Oxide Fuel Cell)型」のエネファームを他社に先駆けて販売を開始しました。

「SOFC型」のエネファーム

SOFC型の特長は、従来の「PEFC(固体高分子形燃料電池/Polymer Electrolyte Fuel Cell)型」のエネファームと比較して、約40%(※容積比)もの小型化を実現し、定格発電効率も45%(※従来は35%から37%ほど)に改良された点です。

一般に、電力会社から供給される電気はつくられるときに熱エネルギーが発生するのですが、それは海や大気に放出する以外に処理する方法がありませんでした。しかし、エネファームではLPガスや天然ガスから取り出した水素と酸素を化学反応させて発電し、そのときに発生する熱エネルギーを利用してお湯をつくることが可能です。

LPガスや天然ガスの投入エネルギーを100%とした場合、化石燃料を燃やす従来のエネルギーシステムと比較して、SOFC型では電気として取り出すことのできるエネルギーは45%、熱として取り出すことのできるエネルギーは42%となり、87%もの総合エネルギー効率を実現しています。そのため、一般の電力よりも効率よくエネルギーを利用できます。

昨年3月に発生した東日本大震災の影響で節電や省エネが話題となりましたが、エネファームは災害時でも供給が可能な分散型エネルギーということで注目を集めています。現在(※2012年1月現在)は、電力会社からの電力供給がなければエネファームは動かないのですが、将来的には蓄電池や太陽光発電と組み合わせて、自立した電気供給ができるようにしたいと考えています(※自立型エネルギーシステム)。

なお、エネファーム自体は当社だけでなく他社さんでも発売しています。その意味では普及が進んでいると思いますが、国からの補助金制度があってもまだ高価なので、導入を迷っている方が多いといえるでしょう。その点、当社のSOFC型は部品点数が少なく、量産がしやすいということもありますので、今後はお客様に安く提供できるようになると思われます。

エネファームと太陽光のダブル発電について紹介していますが、これはどのような仕組みなのですか。

太陽光発電はいわゆる再生可能エネルギーであり、化石燃料を全く利用しないものです。現在、国の政策として省エネと再生可能エネルギーを推進していますが、当社でも太陽光発電システムを提供しています。

ただし、太陽光発電はお日様が出ているときにしか発電をしないので、安定した電源にはなりにくいというデメリットがあります。そこで、当社では再生可能エネルギーとして太陽光発電、安定利用可能な電気にはエネファームというダブル発電のエネルギーシステムを提供しているのです。

太陽光発電の場合、余剰電力を電力会社に売ることができますが、ダブル発電でもそれは可能なのですか。

電力会社に売ることができるのは再生可能エネルギーの部分であり、太陽光発電によりつくられた電気だけです。エネファームで発電した電気については、売ることができません。

ダブル発電によって、どれくらいのCO2排出量を削減できるのですか。

エネファームでは年間約1.3トン、太陽光発電自体で年間約2.6トンとなり、合計で年間約3.9トンものCO2排出量を削減できます。

やはり、従来のPEFC型よりもSOFC型エネファームの方が、CO2排出量の削減効果は高いのですか。

従来のPEFC型でも、年間約1.1トンのCO2排出量を削減しており、ダブル発電では年間約3.7トンものCO2排出量を削減していました。SOFC型では、PEFC型よりもCO2排出削減量が0.2トンほどアップしています。発電効率が上がった分、CO2の発生が少なくなっているのではないかと思います。


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