環境ハイオク「ENEOS ヴィーゴ」についてお聞かせください。
「ENEOS ヴィーゴ」の特長のひとつに、「サルファーフリー」を挙げることができます。サルファーフリーとは、硫黄分(サルファー)が10ppm(※)以下であることをいい、ENEOSヴィーゴはサルファーフリーを保証します。
※「Parts Per Million」の頭文字を取ったもので、100万分の1を意味する。
日本では2008年、欧州では2009年にガソリンの硫黄分が10ppm以下に規制されたのですが、「ENEOS ヴィーゴ」は2002年にすでに発売されており、環境規制を先取りしたハイオクガソリンといえます。ガソリン内に含まれている硫黄分が少ないので、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)もかなり減少するのです。
また、「ENEOS ヴィーゴ」には高性能洗浄剤が配合されており、エンジンの吸気弁に堆積した汚れを86%も削減することで、国内最先端の洗浄性能を実現しています。その高洗浄性により、排出ガスも最大で10%から30%ほどの低減を実現しており、環境に配慮された商品といえるでしょう。それらの点が評価され、「ENEOS ヴィーゴ」はサルファーフリーガソリンの製造販売・技術開発に関して、2005年に石油業界初の環境大臣賞を受賞しました。
貴社ではバイオガソリンも取り扱っていますね。
バイオガソリンは「ENEOS ヴィーゴ」とは異なり、カーボンニュートラルという形で環境に貢献する商品です。
バイオガソリンの原料は、トウモロコシやサトウキビといった植物です。これらの植物が成長するとき、光合成により大気中のCO2を吸収しています。そのため、植物を原料とするバイオガソリンを燃焼してCO2を排出しても、大気中のCO2の総量を増加させないので“ゼロカウント”と見なされ、地球温暖化の抑制に貢献できるというわけです。
政府では2005年の京都議定書(※)の目標達成計画において、原油換算で50万キロリットルのバイオ燃料を2010年までに導入することを閣議決定しており、そのうちの21万キロリットル分については当社も加盟している「石油連盟(Petroleum Association of Japan)」という団体が受け持つことを要請しました。このような動きを受け、石油会社では2007年度からバイオガソリンの販売を開始しており、2010年度には当初の目標である21万キロリットルの導入を達成しています。
※バイオ燃料の燃焼によって排出されたCO2については、カーボンニュートラルの考え方により温室効果ガスの排出量として計上しないとされる。
バイオガソリンは、具体的には従来のガソリンに「バイオETBE」というものを配合します。ETBEとは「エチル・ターシャリーブチル・エーテル(ethyl tertiary-butyl ether)」の略であり、トウモロコシやサトウキビなどの植物からつくられるバイオエタノールに、石油系のガスのイソブテンを合成したものです。
エタノールは水と油の中間のような性質を有するため、ガソリンとは取り扱いが異なります。バイオエタノールのままだとエンジンに使われているゴムを溶かしてしまう恐れがあるため、石油業界としてはガソリンと同様に取り扱うことができるバイオETBEを配合したバイオガソリンを販売しています。
昨年(2011年)3月の東日本大震災の影響で、一時期はバイオガソリンの販売を中止していましたが、同年12月には販売を再開しています。当社では、国内の拠点となるほとんどのSS(サービスステーション/Service Station)でバイオガソリンを入れることが可能です。ただし、バイオガソリンとして販売しているわけではなく、“そのSSのガソリン=バイオガソリン”であるため、“エコ”だという点を意識されないお客様も多いのではないでしょうか。
- 環境対策は統合以前からの重要課題だった
- エネルギーを効率的に使う発電と給湯がエネファームの魅力
- ガソリンでカーライフと地球環境をサポート
- “省エネ”と“創エネ”の実現を目指す
- 地域社会との交流を深める環境保全
- お客様と一緒に取り組むことが必要