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子供たちに読んで欲しい-「バンダイ環境BOOK」

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株式会社バンダイ

昆虫のディテールは精巧にできていますが、やはり図鑑などを参考になさったのですか。

もちろん参考にしています。しかしリアルに見えていても、脚の太さや首の付け根、触角の部分など、かなり商品向けにデフォルメしています。確かに、昆虫というのは本当に精密にできていて完全に再現することは難しいのですが、ぱっと見た目ときにリアルさが感じられるよう心がけています。

アースカプセルの素材は木に近いということもあって、細く作ると強度的な問題が出てくるため、あえて太くデフォルメすることもあります。強度が足りない部分や太くしても違和感がない部分は太く、見えないように裏側で張りを出すといった工夫をしています。私の所属部署ではミニフィギュアを多く取り扱っているので、そういったさじ加減は昆虫においてもしっかりと生かされています。

「アースカプセル昆虫採集」は濃い茶色の商品なので、シリーズになぜバッタが入っているのか疑問だったのですが、「秋バッタです」といわれて納得いたしました(笑)。

バッタは秋に体表の色を変えるのです。そういった昆虫の知識もしっかり生かしています。

商品化に当たって、カブトムシ以外にも日本の代表的な昆虫を作りたいということで、アブラゼミなどの候補を挙げました。アブラゼミの羽は透明ではありますが、身体は茶色なのでそれほど違和感もないだろうということで決定しました。「バッタも秋には茶色に体表も変化するし……」というように、商品化する昆虫の選定については気を使っています。

今後のアースカプセルはどのようなシリーズをお考えですか。

昆虫ではなく、企画を考えているなかで何が合うだろうかというところでいくつか候補はあります。昆虫のシリーズは夏に発売ということもあって選びました。

本来作ってみたかったものはクラシックカーや古代の建物、恐竜の骨格見本だったので、次はそのようなシリーズを検討中です。また、地球環境の悪化によって絶滅の危機に瀕している「レッドデータアニマル」を立体化して、動物を守りましょうというメッセージを送るというのもいいですね。

子供が扱うということで配慮なさっている点はありますか。

「安全性」という点に注意しています。昆虫には尖った部分などはありますが、バンダイの内部基準によって先端を丸めたりしています。また小さい子供たちが扱う商品については、「STマーク」の有無に関わらず、軟らかい素材にするなど注意しています。

アースカプセルの素材は、バイオマスチップ以外でも考えているのですか。

「アースカプセル昆虫採集」を発売した後、様々なところから素材の紹介のお話をいただきました。商品への適性と素材的な面白さどちらも考慮して、企画の内容によって変えていく予定はあります。実は植物セルロースであれば、ほとんど商品化は可能です。最近の実験では、シュレッダーのゴミでも強度の高いものができることが分かりました。そのようなものについては、ゴミではなく資源であるということをアピールできるようになるのが理想ですね。

子供たちへ何かメッセージがありますか。

環境問題について知るというのは、実際にやってみると面白いということですね。私も以前は環境のことなど考える人間ではなかったのですが、意識し始めるようになると、家のなかでもついつい考えてしまいますね。

アニメや変身ヒーローものの商品を扱っている以上、子供たちの前では行動に注意していますが、環境問題に関心を持ってからはさらにその意識が強くなりました。

子供たちが、バンダイの取り組みをきっかけに環境問題に目を向けてもらえるようになれば、それが何よりも嬉しいことですね。

金子様 伴様 井上様 禰宜田様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。
アニメや変身ヒーローのキャラクターがいっぱいの楽しいオフィスで、子供の頃に戻ったようでした。


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