ほかにブリヂストンの活動として特徴的なものがあれば、お聞かせください。
環境取り組みの一番の特徴といえば、他社と比較しても「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」という3つの活動の方向性にブレがなく、このようなことを具体的に述べているのは当社だけだといえる点でしょう。
それらに基づいた様々な活動を束ね、「商品・サービス」「モノづくり」「社会貢献」という点で、グローバルで取り組んでいるというのがブリヂストンの強みではないかと思います。
例えば、日本では「B・フォレスト エコピアの森」、グローバルでは現地の政府やNGOと協力した教育プログラムといった、世界規模のネットワークを生かした活動ができているというのが、ブリヂストンの強みですね。
資源という側面でも、先述したリトレッド事業の「エコバリューパック」や電子ペーパー情報端末「AeroBee(エアロビー)」というように多岐にわたっています。
「B・フォレスト エコピアの森」とは、どのような活動なのですか。
「B・フォレスト エコピアの森」の活動は植樹というよりも、森林保全活動に該当します。植樹も確かに重要ですが、まずは既存の森林の状態をしっかりとしたものにすることが必要で、それによってCO2の削減にもつながります。
「B・フォレスト エコピアの森」は行政とタイアップで行っており、当社の商品である「ECOPIA」ブランドの売り上げの一部を、森林整備に活用しています。
現在(2011年6月時点)、「B・フォレスト エコピアの森」の活動拠点は、福岡県久留米市・山梨県南都留郡道志村・栃木県那須塩原市・山口県下関市・山口県防府市の5ヶ所のほか、5月からは滋賀県彦根市が加わっています。
生物多様性年には全国各地でイベントを行い、行政や子どもたちと一緒に伐採を手伝ったり、間伐材で様々なものを作ったりしました。
今後も活動拠点を増やしていく予定なのですか。
そうですね。行政とタイアップしながら、可能なところについては活動拠点としていきたいですね。
それぞれの地域のニーズに合わせて、「B・フォレスト エコピアの森」の活動を継続していきたいと考えています。
環境への取り組みに関する今後の方針についてお聞かせください。
将来の持続可能な社会に向けて、当社として何について貢献していくのか、ライフサイクル全体を考えて行かなければなりません。
当社の工場における生産面ではもちろん、お客様に貢献していくことも重要です。全体的な観点からすると、必ずどこかにトレードオフ(二律背反)が生じるので、CO2排出量だけを削減するのではなく、社会全体を考えながら、バランスよくライフサイクルを把握しながら活動していくことが重要だと思います。
「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」という3つの方向性ですが、CO2については排出量の削減目標をしっかりと立てています。
自然・資源という面については、生物多様性の取り組み姿勢や資源循環に関する取り組み姿勢の策定といった形で、プレスリリースにおいて情報の開示を行っています。このような形での情報開示、特に資源生産性を高めていくことを表明している企業はあまりなく、ユニークだといえるでしょう。
いかに少ない資源で価値を生み出していくか。そのためには、事業と環境を両立させていくことこそが、今後の取り組みで重要だといえるのではないでしょうか。
濵田様 稲継様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。貴社はタイヤ商品というイメージがありましたが、電子ペーパーの開発を知って驚きました。
- 3つの社会の実現-「環境宣言」
- ナノレベルの技術で転がり抵抗を低減-環境タイヤ「ECOPIA(エコピア)」ブランド
- 「発泡ゴム」が強み-環境対応スタッドレスタイヤ「BLIZZAK REVO GZ」
- リトレッドタイヤで省資源に貢献-「エコバリューパック」
- ペーパーレスと省電力化に貢献-電子ペーパー情報端末「AeroBee(エアロビー)」
- 環境意識の向上の取り組み-環境コミュニケーション
- 行政とタイアップした森林保全-「B・フォレスト エコピアの森」