今後、「eKOシステム」はどのような方向へと進んでいくのですか。
先ほど話をした水や容器に関する取り組みとともに、今年は地球温暖化防止に向けた取り組みにも注力したいと思います。具体的な例の1つとしていえることに、日本一の省エネ性能を誇る次世代型自動販売機の開発があります。
実際の展開はこれから本格的に行っていくため、街中で見かける機会は少ないかもしれませんが、この省エネ型自動販売機、「e-40(イーフォーティ)」についてお話しましょう。
今回コカ・コーラが開発した省エネ型の次世代自動販売機「e-40」の特徴を一言で申し上げると、様々な技術の組み合わせによって、従来の省エネ自動販売機よりも、さらに40%の省エネを実現したことにあります。
例えば「ヒートポンプシステム」という技術を搭載し、自販機の廃熱を利用して製品の加温に再利用しています。また照明には消費電力が少ない「LED照明」を使用していたり、冷媒にはノンフロンを使用したり、さらには最新の真空断熱材を搭載することで高気密・高断熱性を実現しました。
清涼飲料水の自動販売機は全国で約240万台といわれていますが、そのうちの98万台はコカ・コーラの自販機です。昨今の社会的な状況を鑑みて、コカ・コーラとしても改めて自動販売機そのものの存在価値を考える必要があると捉えています。単に飲料を売る箱としてのみならず、街のインフラとして“社会との共生”を果たしていくために、どういった付加価値を提供すべきかを常に考えるようにしています。そのなかで出てきた方向性として、「地球に優しい環境配慮」「誰でも使いやすいユニバーサル設計」という2点に注力して開発したのが、今回の「e-40」を含めた次世代自動販売機だったのです。
自動販売機が街のインフラとしての価値を持つとは、例えばどのようなことですか。
例えば、地震などの自然災害が発生した時になかの飲料が無料になる自動販売機があります。これも地域社会に貢献する1つの形と考えています。
その他にも、売り上げの一部を特定の団体や地域のスポーツチームの活動資金として寄付するようなものや、自販機業界全体で取り組んでいる事例として例えば防犯機能を備えた自動販売機もあります。
自販機の持つ機能や特性を活用して社会に役立つ方法を、様々な試行錯誤を繰り返しながら実践しています。日本の治安が比較的安全ということもあって、これだけの台数が普及したわけですから、それを地域にどのように還元できるか、各地域の課題を解決するためのツールとして自販機を役立てていただきたいと考えています。
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