貴社の製品のPETボトルが独特な形をしているのには、何か理由があるのですか。
基本的にはパッケージも、それぞれのブランドが持っている価値を表現するものと考えています。例えばファンタの場合、「バブルボトル」というポップな感じのデザインでは、ファンタならではの“はじける楽しさ”を表現しています。爽健美茶の場合は、ターゲットである20~30代の女性のしなやかなイメージを表現するため「フィットボトル」を採用しています。アクエリアスでは、スポーツ科学というブランド価値と、実際の人間工学に基づいて掴みやすいようなデザインで開発した「グリップボトル」を採用しています。
さらに、今挙げた3種類は「ユニバーサルデザイン」の原則に基づいて開発したものでもあるのです。コカ・コーラの掲げるユニバーサルデザインには「使いやすい」「わかりやすい」「安心」「みんなに優しい」など6つの項目があるのですが、そのなかでも特徴的なのは、まさにファンタのバブルボトルで表現したような「ココロ躍る」ということ、そしてこれからの未来を考えて「地球にやさしい」という2点を掲げたことです。爽健美茶で採用した「フィットボトル」は実際に持ちやすいだけではなく、剥がしやすいラベルを採用して、重量も誕生当時では500mlPETボトルのなかでも最軽量を記録していました。
私たちは、お客様に安心してお飲みいただける高い品質の製品であることはもちろんのこと、さらには別の価値を提供することを重視しています。例えば最近では450ℓや、1.65ℓなど、これまでにはなかった容量のPETボトルを販売していますが、これは女性が鞄に入れて持ち運ぶのに適したサイズであったり、スーパーで他の食料品と買ったときに無理なく持ち帰れることを想定して開発したものだったりしています。また、1.65ℓのPETボトルは潰しやすい設計にしており、これは家庭内での分別排出促進を見据えた取り組みのひとつといえます。
PETボトルのリサイクルにはコストがかかるので、あまりリサイクル率は高くないというような記事を以前に見たことがあるのですが。
確かにコストがかかる部分もあります。しかしながら、現在PETボトルは資源として非常に価値があるものとなり、有価物として取引されています。正しくリサイクルをすることで事業面においてもメリットをもたらすことも可能です。
重要なのは、リサイクルは現在のコスト視点だけではなく将来的な経済性を見据えて捉えることと考えています。資源が少ない日本では、資源をいかに有効に循環させるかというのが重要な課題なのです。
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