本田技研工業株式会社 :: 前編

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環境性能は最低限の身だしなみ

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本田技研工業株式会社 :: 前編

社内における環境教育として、どのようなことを行っていますか。

ホンダの仕事の進め方は必要性を感じているところの人たちが努力する、要はニーズのあるところが注力するという傾向があります。トップダウン的な啓蒙・啓発活動を嫌い、トップは思想の方向性を決め、適応の部分についてはそれぞれの職場で考えるという方法で今日まで進めてきました。そのため、弊社の環境教育という観点からいえば、ばらつきがありました。

そこで、最近では「e-dream」のような環境啓発誌の発行、新入社員や各ポジションの役職者になったときなどの研修における環境教育を実施しています。社内における環境教育では、現在は「Green Action Guidance」という環境研修用テキストをベースに使っています。

それぞれの部門での環境意識や、業務内における環境対応への取り組みは上手く進んでいるのですが、社外から見た環境への取り組み、例えばISO14001の取得拠点の全事業所における比率というような点では、トップダウン的な啓蒙・啓発活動を嫌っている社風もあって弱いといえます。ただし、確かに弱いのですが、例えば、社内には「グリーンディーラー認定制度」があり、販売拠点でISO14001を取得していなくとも、ホンダ独自のガイドラインに沿った環境対応を行っています。また、お取引先様に対しても「Hondaグリーン購買ガイドライン」により、環境負荷の少ない資材・部品の調達を進めているというように、様々なところと連携することで、環境への取り組みが社内全体に根づいています。

また、年に4回「e-dream」のような環境啓発誌の発行をしています。「e-dream」は社内研修用というお話をしましたが、もともとは販売店様の啓蒙に向けて発行していたものです。販売店様というのはエリアに根ざしており、常日頃多くのお客様と接するという立場にありながら、環境情報取得ルートが限定されてしまいます。そのような方々に、環境への働きかけを行うというのが「e-dream」の趣旨なのです。

e-dream

最近では、環境が企業経営そのものに関わっていることもあって、社内的にも環境対応車の「インサイト」に注力しています。環境とビジネスが直結してきているわけです。ホンダユーザー全員の方に向けて「Honda Magazine」という本をお配りしているのですが、ハイブリッドカーの「インサイト」や燃料電池車の「FCXクラリティ」に話題が集中することもあって、その本の記事は環境にフォーカスした内容が多くなっています。

現在、社内の環境教育の方法を含めて見直しをかけています。社内イントラネットでは環境のコンテンツを閲覧できるのですが、まだ充実した内容ではないと考えています。その点をさらに改善し、今後はeラーニングのようなオンデマンドな教育活動を実施したいですね。ただし、そもそもコンテンツがしっかりしていなければ、eラーニングを実施したからといって従業員の環境意識が高まるとはいえないでしょう。


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