これだけは話しておきたいことはありますか。
弊社のホームページをご覧になっていただければと思いますが、「CR-Z」という車にもハイブリッドシステムを搭載いたします。2年前(2007年)の東京モータショーでコンセプトモデルの発表を行ったのですが、来年(2010年)の2月に販売を予定しています。
さらに、リッター24km走るだけでも優れた性能といえる「フィット」も、2010年中にハイブリッドシステムを搭載します。
何度かお話しているように、弊社のハイブリッドカーの特徴というのは、構造がシンプルなので車内スペースを広く確保でき、展開性が高いということが挙げられます。しかも、小型系への展開性が高いのです。小型のハイブリッドカーはホンダの得意領域であり、今後もその領域に注力して行きたいと考えています。
長いスパンで見れば、ほとんどの車両をハイブリッド化すべきといえます。電気エネルギーへの信頼性も高くなっており、電動化に向かう方向性は間違いではないと思います。ただし、内燃機関をなくして完全に電気でいいかといえば、性能面では疑問だといえます。そのため、しばらくはハイブリッドという状態が続くのではないかと考えています。
ユーザ視点でいうと、CO2を排出しないことを実現できる技術は、現状では電気自動車以外にはありません。国や社会からは、電気自動車のニーズはあります。そういった要望に対して、ホンダは電気自動車に対する立ち位置が異なるからといっても、基本的には向かうべき方向は電気だと考えているので断ることはありません。
ただし、現状では効率的な観点や価格の点からは課題があるので、純粋な電気自動車の開発競争に注力すべきかは疑問だと思っています。もし今後、社会のインフラが電気自動車を受け入れる体制になれば、電気自動車へシフトする可能性はあるといえますが。
篠原様 安藤様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。かなり以前から環境に目を向け、高い技術力で貢献していることに脱帽です。
- 実用化に先駆けて開発-新型燃料電池車「FCXクラリティ」(1)
- 今後は市販化も検討-新型燃料電池車「FCXクラリティ」(2)
- 開発から廃車まで-製品の資源循環
- ハイブリッドカーと電気自動車の関係
- 別の車種でもハイブリッドカーが登場