ハウス食品株式会社

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安心・安全と環境配慮とのバランス

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ハウス食品株式会社

今回の「エコなニュース」は、カロリーオフと個別包装の「プライムカレー」でおなじみのハウス食品株式会社様の取り組みをご紹介。

ハウス食品株式会社様では、容器の薄肉化やパッケージの縮小化・軽量化、「ハウス食と農と環境の体験教室」など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

カスタマーコミュニケーション本部 CSR推進室長 池本様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

環境に関する取り組みを始めたきっかけをお聞かせください。

社内的に、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001を取得しようという方針に決まったことが、ハウス食品の環境の取り組みを始めたきっかけといえるでしょう。

2011年9月現在の状況として、ISO14001についてはハウス食品本体とハウスウェルネスフーズ株式会社、ハウス物流サービス株式会社などで認証を取得しています。なお、株式会社デリカシェフでは、エコアクション21の認証取得に向けて取り組みを進めているところです。

このようにグループとして認証を取得しているのは、食品メーカーでもあまりないといえるでしょう。海外では、2010年度に上海ハウス食品有限会社でもISO14001を取得しています。

貴社では「ハウス食品 環境方針」というものを策定されていますね。その内容についてお聞かせください。

CSRの一環としてどこまで取り組むべきかという問題はあるものの、企業にとって環境への取り組みを無視することはできなくなっています。

そこで、当社では「ハウス食品 環境方針」というものを策定しています。これは当社の各部署、全社員において浸透している方針であり、当社で配布される手帳にも記載されています。

環境方針のなかで定められている環境理念では、“私たちは、おいしさと品質と安全にこだわり安心できる食品づくりに努めるとともに、地球環境の大切さを十分認識し、環境に配慮した企業活動を通じて恵み豊かな地球の存続に貢献します。”という内容を記載しています。

また、行動指針として省エネルギーや環境に配慮した商品開発、環境活動の継続的改善など、6つの項目を定めています。

環境に配慮した商品開発を行ううえで、具体的な評価項目を設けているそうですね。

ハウス食品には、「環境配慮製品のガイドライン」というものがあります。このガイドラインの基準を満たしているかについて厳重なチェックを行い、企業の責任として環境に配慮した製品開発に取り組んでいます。

今後当社で発売される製品のすべてについては、「環境配慮製品のガイドライン」によるチェックがなされます。

「環境配慮製品のガイドライン」の内容はLCA(Life Cycle Assessment/ライフサイクルアセスメント)の観点に基づいており、原材料調達・製造・流通・販売・消費・廃棄までの各段階を合わせると30にもなるチェック項目が設けられています。食品の場合には、どうしても安心・安全という点が優先されますが、今後は環境配慮という点にも目を向けていく必要があるでしょう。

さらに、将来的な課題としては開発段階だけではなく、調理時間が従来の半分になる、水の使用量を減らすことができるというような製品の開発を進めていかなければなりません。

「環境配慮製品のガイドライン」の内容に“4R”というものがありますね。“3R”というのはよく耳にしますが。

当該ガイドラインにおける基本的な考え方として、「4R+廃棄性向上」というものがあります。

4Rとは、環境に悪影響をおよぼす恐れのある材料を排除することを意味する「Reject」、省資源の「Reduce」、繰り返し利用することである「Reuse」、再資源化の「Recycle」の頭文字を取ったものです。廃棄性向上とは、包装材や食べ残しなどの廃棄物の問題をなくしていこうという内容です。

また、環境配慮におけるポイントとして掲げる「5W1H」というものがあります。これは、私たち一人ひとり(Who)が、原材料調達から、製造・流通・消費・廃棄に至るまでの各段階で生じる環境負荷を(When)、原料・包材・製品・工程などを改善の対象として(What)、減量化・省資源化・再資源化・長寿命化・省エネルギー化・環境保全・処理容易化を図ると(How)、温暖化・廃棄物・土壌汚染・大気汚染・水質汚濁・資源の枯渇などの影響を低減することができます(Why)というものです。


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