プリント事業における取り組みについてお聞かせください。
当社では、家庭用のインクジェットプリンターやオフィス向けのレーザープリンターだけでなく、ポスターなどを出力する大判プリンターや出版用のデジタル印刷機など、幅広いプリント事業も展開しております。
プリント事業における代表的な環境への取り組みとして、エコマーク商品の認定を取得した「HP Latex インク」を挙げることができます。環境にやさしい水性のインクでありながら、さまざまな素材に印刷することが可能です。しかも、有機溶剤系のインクと同等の対候性を有しています。
「HP Latex インク」は2008年に発表された製品なのですが、これは当時のインクテクノロジーとしては最先端の技術であり、発表は他社よりも4年ほど早かったのです。「HP Latex インク」は現在(※2012年7月現在)では第二世代へと進化しており、世界中で本インクの大判プリンターの使用実績(※12,000台以上)があります。
「HP Latex インク」は主に、サイネージと呼ばれる屋外広告やラッピングバス、垂れ幕などの印刷に利用されます。当社内のイメージキャラクターであるAKB48が印刷された幕(本社に掲示)なども、本インクが使われています。布やプラスチックなどに印刷することもできるため、床や階段など幅広い用途があります。
「HP Latex インク」による印刷技術が高い評価を受け、サントリー美術館では琉球王朝のシンボルである首里城の写真を、継ぎ目のない大きな1枚の布(6メートル×3.1メートル)にプリントしたものなどを展示していました。
この「HP Latex インク」について、屋外使用できるインクでは初のエコマーク商品の認定を2011年に取得しました。エコマークというのは環境ラベリング制度のなかでも特に審査が厳しく、学識者で構成される「エコマーク審査委員会」による審査を通過しなければ使用することが認められません。
「HP Latex インク」がエコマークを取得できた理由のひとつとして、インクが水性であることが挙げられます。屋外で使用する印刷物のインクは有機溶剤を使用したもの(ソルベントインク)が主流だったのですが、それを水性のものに切り替える動きが進んでおり、当社はその最先端を走っていました。また、揮発性有機化合物(VOC/Volatile Organic Compounds)が極めて少量であるため、印刷しても嫌な臭いが発生することがありません。
さらに、当社ではインクのカートリッジのリサイクルシステムを完備して、カートリッジの再資源化率(マテリアルリサイクル率)95%以上を達成したことも、認定取得の大きな要素になったと言えるでしょう。
- 「グローバルシチズンシップ」に基づく環境への取り組みがスタート
- 製品やサービスを通じた社会・環境への貢献-「ポートフォリオ」
- 節電ソフトウェアやシンクライアントシステムで電力消費を最適化
- データセンターを丸ごとコンサルティング
- 屋外使用可能インク初のエコマーク商品の認定取得
- パートナー企業や取引先各社と協力した環境負荷低減-「サプライチェーン」
- 武装組織の資金源となる「紛争鉱物」を使わないために
- 業務遂行における環境負荷軽減-「オペレーション」
- スマートシティ-エネルギーの見える化から自発的なCO2の削減へ