社内における取り組みについてお聞かせください。
「オペレーション」は、当社の業務遂行における環境負荷軽減の取り組みとなります。
当社のサービスには、「HP Virtual Rooms」というSaaS(※)型のWeb会議・トレーニングシステムがあります。Webカメラや音声(VoIP/Voice over Internet Protocol)に標準対応しており、参加者全体だけでなく特定の参加者だけでチャット(※プライベート・グループチャット機能)をすることも可能です。また、ホワイトボード機能により共有する資料に書き込みをすることもできます。
「HP Virtual Rooms」は、サービスとして提供しているだけでなく、社内でも活用しています。このシステムを使うことによって、わざわざ出張をする必要がなくなります。HPでは上司や同僚が外国にいるという場合も多く、1日に何時間も電話会議をしているというケースも頻繁にあります。また、HP Virtual Roomsは社内外でのトレーニングにも活用されており、社内では米国にいる講師から世界中の受講者が同時にトレーニングを受けるということもあります。お客様向けには遠隔地の方や在宅勤務の方をターゲットに、自宅やオフィスなどどこからでもインターネット経由でトレーニングを受講できるシステム「HP Virtual Class(遠隔研修)」を提供しています。
※「Software as a Service」の略称であり、ソフトウェアをプロバイダ(ベンダー)側で稼働させ、その一部の機能をユーザーネットワーク経由で利用する形態のこと。
「HP Virtual Rooms」は、インターネット環境さえあればすぐに利用することができるため、これを活用して自宅からでも仕事をすることが可能です。そのため、例えば、小さい子どもがいる方は在宅勤務ができるということで、環境への貢献だけでなくダイバーシティの促進にもつながります。
また、昨年(2011年)の東日本大震災で実際に経験したことですが、災害時にも役に立ちます。震災後に在宅勤務となった企業は多かったのですが、当社ではすでに「HP Virtual Rooms」を導入しており、使い慣れていた社員が多かったため、会議が必要な場合でも、動かない電車を待つことなく、スムーズに自宅で業務を継続することができました。
さらに、復興支援の一環として「HP Virtual Rooms」を被災地の企業・自治体・医療機関などに無償でライセンスを提供しました。
取材に伺った本社ビルは新しく、庇(ひさし)を設置した外観や吹き抜けを採用した内観など、かなり環境や働きやすさに配慮されているようですが。
昨年(2011年)に完成した江東区大島の本社ビル「HP Garage Tokyo」は、環境に対して多くの配慮がされています。同規模の建物と比較しても、CO2排出量を40%程度の削減できる設計になっています。
名称に“Garage”とついているのは、ガレージからスタートしたHPの歴史に基づいており、創業時の精神を忘れないようにという意味が込められています。
本社ビルの中央には、1階から最上階までの吹き抜けが設けられており、自然換気を行うことが可能です。また、吹き抜け部分の天井は自然採光のためガラス張りとなっております。
吹き抜けの周囲にはカウンターを設置しており、コミュニケーションスペースとして活用することもできます。電源も設けられているので、ノートPCを使って仕事をすることも可能です。
「HP Garage Tokyo」では、庇(ひさし)の多機能化・多目的利用という点でも工夫がなされています。庇の設置により直射日光を遮ることができるため、日中はブラインドを下ろして照明をつける必要がありません。
オフィススペースの外周はバルコニーによって囲まれており、社員のリフレッシュの場や外部柱の配置スペース、近隣への視線制御の機能を有しています。外部柱の採用によって、柱や構造壁のない広いオフィススペースの確保を実現しています。
- 「グローバルシチズンシップ」に基づく環境への取り組みがスタート
- 製品やサービスを通じた社会・環境への貢献-「ポートフォリオ」
- 節電ソフトウェアやシンクライアントシステムで電力消費を最適化
- データセンターを丸ごとコンサルティング
- 屋外使用可能インク初のエコマーク商品の認定取得
- パートナー企業や取引先各社と協力した環境負荷低減-「サプライチェーン」
- 武装組織の資金源となる「紛争鉱物」を使わないために
- 業務遂行における環境負荷軽減-「オペレーション」
- スマートシティ-エネルギーの見える化から自発的なCO2の削減へ