社内的な環境への意識は高くなりましたか。
そうですね。「かっとばし!!」などの商品展開により、植樹や植林などに協力させていただいております。その意味で、社内的な環境の意識は高くなりました。
ほかにも、ぜひお伝えしたいことはありますか。
エコバッグなど、最近環境問題を意識した商品が増え、社会的にも環境への意識が高くなりましたが、ブームとして踊らされているという部分も感じます。
お箸を売っていると、My箸ということで注目を集めるのですが、なぜMy箸を持つのかという部分はあまり理解されていないように思います。
兵左衛門では、お箸にこだわりを持って、楽しく使っていただければと考えています。エコブームだからMy箸を持ってみようかという意識を持つ人は、お箸へのこだわりがない人が多いように感じます。安いプラスチック製のお箸をMy箸として使う人もいますが、あまり健康にいいとはいえません。国産の間伐材や端材を使ったお箸を持つほうが、実はエコといえるのです。単にブームに乗って、自分はエコ意識が高いと考えるのは違います。なぜこの商品がエコなのか、この活動がエコなのかをしっかり認識したうえで環境への取り組みを行わなければ、一過性のものとなってしまうでしょう。
漆のコーティングが傷んでも、塗り直すことは可能です。しかし、合成化学塗料のお箸の場合、一度傷んでしまうと再び直して使うことはできません。しかも傷んでいる部分の合成化学塗料が口のなかに入るので、体にいいとはいえないのです。合成化学塗料というのは誕生して100年ほどですが、国の安全基準があるものの、本当に安全なのかははっきりしない部分もあります。
漆は千数百年の歴史があり、体に害がないというのはその長さが証明しています。お箸ならどれでもいいということではないのです。
漆のコーティングが欠けた程度であれば、塗り直すことができ、半分に折れたとしても1本だけでも販売しております。すぐに捨てるのことはしないという意識が、本当のエコなのではないかと思います。エコというよりも、ものを大切にするという考え方が重要だと思います。
お箸を使うため手を動かすので、脳の活性化につながりますし、日本人であればお箸を上手に使えるべきですよね。テーブルマナーで、ナイフとフォークの使い方を熱心に勉強する人は多いのに、お箸の使い方となるとそのような人はあまりいません。ナイフとフォークは上手に使えるのに、お箸の使い方が下手である、あるいは外国の方のほうがお箸を正しく使うことができるということもあります。日本の文化であるお箸をについて、見直してみてはいかがでしょうか。
浦谷様 吉田様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。お箸へのこだわり、熱い思いを感じることができました。
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