今回の「エコなニュース」は、「カゴメトマトジュース」でおなじみのカゴメ株式会社様の取り組みをご紹介。
カゴメ株式会社様では、トマトジュース専用の品種群のブランド「凛々子(りりこ)」の開発など、数多くの取り組みをなさっているそうです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。
コーポレート・コミュニケーション本部 グローバルサステナビリティ部課長 日沼仁志様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
環境に関する取り組みを始めたきっかけをお聞かせください。
当社が環境への取り組みを始めたのは、1996年の社会対応室・社会環境グループという部署が設置されたころです。
そして、本格的に取り組みをスタートしたと言えるのは、環境方針を制定してカゴメ環境マネジメントシステムの実働を開始した1998年度です。
それ以前から、貴社では環境問題に対する姿勢はすでにあったのですか。
それ以前から、工場における公害防止対策は行われていたのですが、工場以外にも広げるべきだという気運は、1991年ごろから盛り上がりつつありました。社内で本格的に組織が設立され、全社の環境への取り組みが始まったのが1996年というわけです。
環境方針を制定した経緯と、その内容についてお聞かせください。
野菜の健康価値を追求し、安全な商品の提供を通じて人々の「体内環境正常化」に貢献するとともに、恵みを生み出す「地球環境」に感謝して配慮しようという考えで、環境方針を1998年に制定しました。なお、この想いは、方針前文に明示しています。
また、方針の内容ですが、もともと農業に近い食品メーカーということで、農産物原料を大事にしてより良い商品をつくりましょうといった思想に基づき、以下のとおり大きく4つの柱で構成しました。
<カゴメ環境方針>
(前文) カゴメは、様々な恵みによって人々の健康な生活を支える地球環境に感謝し、こうした地球環境と調和のとれた企業活動を続けるために、以下の環境方針を掲げます。 (環境方針) |
世の中の動向に合わせ、環境方針の見直しを検討したりもしましたが、企業理念と環境保全の調和を目指して設定された本方針は現在でも重要であり、変更は必要ないと判断し、制定当初から内容は変わっていません。
環境方針の進捗状況は、どのようになっていますか。
当社では、原則3年のスパンで中期計画を策定しており、2010年度から2012年度までが第四期中期環境計画の実施期間でしたが、ほとんどの目標を達成することはできています。
ただし、第四期中期のなかで東日本大震災が発生し、大きな被害を受けた事業所もありました。その影響で、一部については当初立てた目標値を達成できなかったものもあります。例えば、工場のゼロエミッション(※)は2006年度から維持していましたが、震災の影響で途切れてしまった時期があります。今は、ゼロエミッションを回復しています。
※カゴメでは自社基準に基づき、生産余剰物の99%以上を再資源化することをゼロエミッションと定義している。
- 環境方針の要となる4つの柱
- 紙パックの減容化に対する感謝を示すメッセージ
- 農業における生物多様性への配慮
- 温室内での生鮮トマト栽培における苦労
- トマトジュース専用の品種群のブランド「凛々子(りりこ)」
- 次の50年でグローバルブランドを目指す