貴社では製品面でも環境配慮をなさっていますが、その点についてお聞かせください。
当社は食品・飲料のメーカーであり、製品を使い続けるものではなく、食べるあるいは飲んで終わりなので、商品への配慮となると容器・包材のスペックに関するものが中心となります。当社でも、ペットボトルなどの容器包材の軽量化や使用後にリサイクルしていただきやすいような包装形態にすることなどに取り組んでいます。
そのなかでもカゴメらしさが出ているのが、飲用後の200ml紙パックをたたんだときに見ることができる「たたんでくれてありがとう」という感謝を示すメッセージです。これは社員の発案によるものでしたが、文字通りたたんでいただいたお客様だけが見ることのできるメッセージであり、紙パックのごみの減容化に寄与します。
初めて当社でアルミ付き紙パックにこのようなメッセージ表示を行いましたが、今では他社さんの紙パック商品でも採用されるまでに取り組みが広がっています。
感謝を示すメッセージがあることを、紙パックのどこにも表示していないため、たたんだときにメッセージにふと気付かれたお客様は驚かれているようで、「感動した」や「癒された」など嬉しいお手紙やお電話をいただくことが多いですね。また、この言葉を見ることが楽しみとなり、「たたんで捨てることが習慣になった」というお声もいただきます。このような取り組みは、(学校の)環境教育などでも取り上げていただいています。
容器の軽量化などにより、どれくらいの環境に配慮できたのでしょうか。
今のところ、具体的な数値として算出できてはいません。当社の販売規模では、大きなインパクトの数字になり難いからです。そのような事情から、当社のWebサイトやCSRレポートなどでは定量的な公表をしていません。
また、軽量化のほかに、環境配慮としての新しい取り組みとしては、ギフトセット商品の一部でふたを化粧箱から段ボール材質のものに変更したことがあります。従来は、ギフトセット商品のふたに段ボールを使うことはあまりなかったので、チャレンジングな取り組みでした。
贈り届けるものであるため、化粧紙ではなく茶色の段ボール紙を使うことについては懸念点もありましたが、廃棄時の簡易化・リサイクル向上を目指した箱の側面にある折りたたみ方のガイダンスも含め、高い評価をいただいています。
段ボールはもともとリサイクルされた紙でつくられたものであり、さらに、使用していただいた後にもう一度リサイクルしていただくことで、CO2や廃棄物の削減、資源の有効活用に貢献すると考えています。
- 環境方針の要となる4つの柱
- 紙パックの減容化に対する感謝を示すメッセージ
- 農業における生物多様性への配慮
- 温室内での生鮮トマト栽培における苦労
- トマトジュース専用の品種群のブランド「凛々子(りりこ)」
- 次の50年でグローバルブランドを目指す