キーン・ジャパン合同会社

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西表島の自然と文化を守るプロジェクト「Us 4 IRIOMOTE」 キーン・ジャパンが目指すCSRとは?

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キーン・ジャパン合同会社

「屋根のない場所すべてを『KEENと共に楽しむ場所』」と捉え、アウトドアライフを楽しむ人に寄り沿うフットウェアを展開するキーン・ジャパン合同会社(以下、キーン・ジャパン)の取り組みをご紹介します。

環境保護や、社会貢献活動に積極的に向き合うキーン・ジャパンは、2019年4月15日に西表島の自然と文化を守るために行動するプロジェクト「Us 4 IRIOMOTE(アス・フォー・イリオモテ)」を本格的にスタートされたそうです。キーン・ジャパン ジェネラルマネージャー・日本法人代表 竹田尚志氏に、お話をうかがいました。

キーン・ジャパン合同会社 ジェネラルマネージャー・日本法人代表 竹田尚志氏

キーン・ジャパン合同会社 ジェネラルマネージャー・日本法人代表 竹田尚志氏

社会貢献と環境保護をミッションに様ざまな活動を展開

貴社では環境に関する取り組みに注力されていますが、そのきっかけについて教えてください。

キーンはアウトドア・フットウェアブランドとして2003年に創業していますが、創立当時からCSRに力を入れています。そのきっかけとなったのが、2004年に起きたスマトラ沖地震です。かなり大きな津波だったので、創設メンバーが何かしたいという想いで当時のすべての広告費を寄付金に充てました。それが最初の大きな活動となり、2005年以降そのDNAを引き継いで、社会貢献や環境保護活動を行っている団体のサポート、災害支援活動などに繋がっています。

具体的にはどのような活動に取り組んでいるのでしょうか。

日本国内では、ホームレスの方の足元をサポートをしたり、児童養護施設の子供たちにアウトドアの機会を提供するNPOと一緒にキャンプ・プロジェクトを子どもたちへ提供したりしています。また、KEENの売上の一部はコンサベーション・アライアンス・ジャパン(以下CAJ)に寄付されています。CAJは、キーン・ジャパンを含むアウトドア関連企業からなる団体で、この度、一般社団法人となりました。CAJでは、各社の寄付金をもとにアウトドア環境保護基金をつくり、自然環境の保全団体に助成金を出しています。

2018年は特に災害が多い年でした。西日本豪雨、北海道胆振地震の支援として、被災地の最前線で支援を行う団体の一般社団法人「OPEN JAPAN」さんとともに、現地に入らせていただいて、ボランティア活動や、被災者の方にシューズのプレゼントもさせていただきました。また、様ざまなイベント会場でKEENのチャリティ物販「FEEL GOOD STORE(フィールグッドストア)」を行い、その売り上げの50%を様ざまな団体に寄付しています。

社会貢献活動の様子

社会貢献活動の様子

環境への取り組みにおいて指針や大切にしたいことは何でしょうか?

KEENはこれまで1,800万米ドル(約20億円)を同じ志を持つ世界中のNPO団体に寄付し、様ざまな活動を展開してきました。社会にポジティブな変化を起こそうとするこれらの活動を、私たちはKEEN EFFECT(キーン・エフェクト)と呼んでいます。「GIVING BACK:社会への還元」「TAKING ACTION:市民活動支援」「REDUCING IMPACT:環境負荷の低減」をテーマに、日本国内だけでなくグローバルで社会貢献や環境保護に取り組んでいます。

The keen effect

アウトドア・フットウェアを展開する企業なので、そもそも自然がなかったら私たちのビジネスは成り立ちません。そういう意味で、「アウトドアを楽しむシーンを守る」というところにキーンの原点があるのではないかと考えています。

素晴らしいですね。貴社のフットウェアも環境に配慮した素材が使われているのでしょうか。

そうですね。先ほどの大切にしている3つの指針の中に、「REDUCING IMPACT:環境負荷の低減」がありました。靴は完成するまでの製造工程でかなりの環境負荷がかかります。
靴は、アッパーとソールを接着する工程があるのですが、それらを貼り合わせるために接着剤が使われます。さらに靴特有の機能には、環境負荷が高い化学物質が使われていることが多いのです。

キーン・ジャパンの製品:UNEEK EVO(ユニーク エヴォ)

キーン・ジャパンの製品:UNEEK EVO(ユニーク エヴォ)

キーンのシューズは、環境に配慮された技術を使って作られています。そのひとつがバイオの力で消臭するということです。通常は、靴の中に防臭剤が入っているのですが、基本的には殺菌剤と同じような成分で、環境負荷が高く有毒です。キーンのシューズにはインソールの中に天然由来の微生物が含まれていて、湿度と触れる(汗をかく)と活性化して消臭・防臭するようにできています。

また、靴の革を加工する過程では、かなりの量の水とエネルギーを使います。例えば革をなめしたり、染める工程で生まれる染料は川に流すことが多いのですが、その汚水は環境負荷がかなり高いんです。KEENは現在、その汚水をなん段階もろ過し、飲めるレベルまできれいになった水を、また革の加工に完全にリサイクルするシステムである「LWG*認定」の製革工場がつくるレザーを利用しています。

LWG:レザーワーキンググループの略。製革業界の業界基準を設定し、化学物質や廃棄物の管理、エネルギー消費、二酸化炭素の排出、水処理といった主要分野で製革工場の環境対策を監査する国際団体です。

さらに、商品が“PFCフリー”であることもアウトドアブランドとして画期的なことなのですが、PFCという言葉を知っていますか?PFCとは「過フッ素化合物」のことで、防水加工の洋服やシューズに使われる撥水成分のことを指します。

自然界での分解が難しく、自然環境はもとより、野生生物や人体内にも蓄積し、悪影響をもたらすというデータがあります。そこで私たちの防水シューズのほぼ全てで過フッ素化合物と同等の性能を持つ代替物質を採用し、環境負荷を軽減しています。

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