オフィス内での環境の取り組みについてお聞かせください。
他社さんでも行われている、クールビズやグリーンカーテンが代表的な取り組みとして挙げられます。来年(2013年)も継続して行い、社内にさらに浸透させていくことができればと考えています。
また、空調の温度設定や自動販売機の稼働時間の調整なども実施しています。環境の取り組みを行うようになって学んだのですが、自動販売機というのは社員がいない夜中でも稼働しているので、その分電力を消費することになります。しかも、オフィス内に設置しているので、屋外にある自動販売機よりもライトを明るくする必要はありません。そこで、それらの分の電力消費量を抑える工夫をしています。
工場では一部、LEDのような省エネタイプのものに全部切り替えておりますが、オフィス内の照明の間引きを実施するなど、節電や節水といった地道な努力を積み重ねています。
さらに、例年さまざまな形で、地域とのコミュニケーションを図りながら環境への貢献をしていくことも行っています。例えば、京都工場では桂川流域クリーンネットワークが主催する「桂川クリーン大作戦」に参加し、社員が川岸などのゴミの収集など行いました。
本社では、所在地の板橋区が主催する打ち水キャンペーンに参加し、路面を冷やすことで周辺地域の気温低下に貢献しました。確かに、1回水をまいただけで1日中涼しくなるというわけではありませんが、継続的に行うことで、気化熱によって体感気温が下がるという効果が期待できます。このように、身近なところやできるところから、環境への取り組みを進めています。
グリーンカーテンではどのようなもの育てているのですか。
グリーンカーテンでは、ゴーヤやアサガオを育てています。昨年(2011年)は生育環境が良好であり、大きなゴーヤの実が成りました。そこで、実際にチップスにして食べました。残念ながら、今年は土壌の状態の変化や生育場所の変更もあって、それほど多くの実は成りませんでした。そのため、チップスとして食べることはできなかったのですが、来年はゴーヤの実をたくさん収穫したいと思います。
ゴーヤをチップスにするとは、貴社ならではですね。
最初はゴーヤチャンプルーにするという案もあったのですが、そうするとほかの具材も用意しなければなりません(笑)。手軽に食べられるし、しかも当社の設備を利用できるということで、最終的にチップスとなりました。
ウォーターフットプリントの取り組みもなさっているようですが。
ウォーターフットプリント(※)については環境教育の一環として行っているものであり、これを基に具体的な取り組みを行っているというわけではありません。当社内の環境を担当しているチームで、ウォーターフットプリントに関して勉強させていただいているという状況です。
※原材料の調達から生産や廃棄、リサイクルまでに使用した水の総量を算出して、水資源への影響負荷を定量化する手法のこと。
カーボン・オフセットやカーボンフットプリントなど、さまざまな環境に関する概念があります。そのひとつとして、水という私たちの生活に身近なものをテーマにした研究ということもあり、今後どのように環境問題に役に立つのか、どのように研究が進んでいくのかも含めて、知識・見識を増やしていきたいと考えています。
取り組みによって、社内の環境に対する意識は変わりましたか。
特に昨年は東日本大震災のこともあって、節電に対する意識は強かったようです。工場の方ではエアコンの室外機に直射日光を防ぐシェードを設置する、散水装置により冷房効率を上げるなど、節電効果を高める工夫を行っていました。社会的にも省エネに関しては敏感になっており、そのような意味でも社内における環境に対する意識は広がっていると思います。
- 食に携わる部分で少しでも環境に優しいことを
- 規格外チップスのリサイクル
- 一人でも多くの子どもに給食を
- グリーンカーテンで育てたゴーヤをチップスに
- 豊かな生態系を目指す「湖池屋の森」