ライオン株式会社

メーカー

河川の発泡問題と植物原料の界面活性剤「MES」

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ライオン株式会社

環境への取り組みに関する今後の方針についてお聞かせください。

環境省では、低炭素社会・循環型社会・自然共生社会(生物多様性)という3つの方向性を掲げています。当社でも、方向性としては同じだといえるでしょう。従業員が一緒になって、環境意識を高めつつ、この3つに配慮した事業活動を推進していくことが必要だと思います。

「社内の環境意識醸成」という点でも、自然との共生や水の大切さを学んでもらうため、「ライオン山梨の森」の整備といったボランティア活動を実施しています。「ライオン山梨の森」は、新入社員の研修のフィールドとしても活用されています。実際に体験してみると、下草刈りや枝打ち、間伐を行うことによって森のなかに日光が入り、木々の成長を促進するといったことが分かります。

特にライオンでは、水とのかかわりが深い企業なので、今後も水を大事にすることに注力していきたいですね。

東日本大震災を経験したあとだからこそ、自然との共存を認識する必要があり、持続可能な社会を目指していかなければなりません。ライオンは、本当の意味での環境対応先進企業になっていく必要があり、そのような観点で作った商品をお客様に提供し、ライフスタイル自体を持続可能なものとすることを目標とすべきだといえるでしょう。

当社は日常生活で使われる製品を提供しているので、CO2排出量の削減や再生ペット樹脂を使った容器の使用といった形で貢献していきたいと考えています。さらには、家計や家事の“エコ(Economy)”にもつながればと思います。

事業活動という点では、商品を通じて環境への取り組みを理解していただくことが大切だと感じています。お客様に、「ライオンの製品は環境のことを考えていて、いいよね」と感じていただけるようになるのが理想ですね。

「ライオン山梨の森」についてお聞かせください。

「ライオン山梨の森」は、環境の取り組みを実践するフィールドとして重要な活動です。2006年10月に山梨市水口地区の山梨市有林に開設され、5年経過した今年(2011年)から第2期に入っており、さらに活動を充実させたいと考えています。県と市など地元の方々に大変協力していただいています。「ライオン山梨の森」は、山梨県が進める「企業の森推進事業」の第1号となっています。

単に森林整備への協賛金を提供するということではなく、新入社員やOBを含めた従業員がボランティアとして森林整備活動を行うことや、社員と地域の方々との交流を深めることもしています。

山梨県や市でも、市長さんや役所の職員、森林組合などの方々が積極的に参加されています。毎年の春になると、地元の小学生にも「ライオン山梨の森」で植林に協力していただいております。また、森林整備で出た「間伐材」は紙の原料となり、当社のCSR報告書などに活用しています。

森というのは、CO2を吸収して光合成で酸素を作り出すので低炭素社会に貢献するのはもちろん、根源的な部分では洪水を防ぐ、きれいな水を作る源(みなもと)という重要な役割を担っています。

そこで、「ライオン山梨の森」で実際に森の大切さを体感してもらい、環境問題に向き合うことが必要であり、いかに人間の生活が自然と結びついているかを理解するための場とし、これからも継続していきたいですね。

生物多様性という意味でも、森は重要な役割を担っています。そこで、昨年から野生生物調査も実施しています。これは、NPO法人「アースウォッチ・ジャパン」と一緒に、立正大学の須田知樹准教授にご指導いただき、フィールドを歩きながら野生の動植物を定期的に観察するものです。まだ始まったばかりではありますが、生物多様性を学ぶための場としても活用できればと考えています。

岡田様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。妥協をしない製品の開発や基準の策定には脱帽です。


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