株式会社明治

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事業再編を機に生まれ変わった「環境理念」と「環境方針」

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株式会社明治

乳製品でも、何か環境配慮の取り組みを行っているのですか。

牛乳びんの軽量化も環境配慮の取り組みのひとつです。従来のびんと比較して、約40%も軽くなっています。

牛乳びんは軽量化以外に、耐久性や形状の観点からも随時改良がなされているのですが、店頭に並ぶものは紙パックの製品が主流とあって、まだびん製品があること自体に驚く方も多いようですね。宅配されるものや学校給食では、今でもびん容器が多く使われています。

特に宅配では小型のびんが主流ですね。従来のびんは180mlの「1合」と呼ばれるものが使われていましたが、現在では100mlのびんが増えています。これは、宅配先にお年寄りの方が増えているということが理由のひとつに考えられます。

以前よりも、このようなびんは繰り返し使われる回数が増えています。表面に細かい傷やひびがあると割れてしまう可能性もあるので、実際に再利用される回数は40回ほどです。

なお、現在の牛乳びんのふたにはプラスチックのキャップが採用されています。以前は紙栓が使われていましたが、取る際にびんのなかに入ってしまうことがありました。また、単にごみとして捨てられることも多かったのです。そもそも、紙栓では飲み口を保護していないため、落とした場合に飲み口が割れてしまう恐れもありました。

そこで、当社では牛乳びんの軽量化に合わせて、プラスチックのキャップを採用しました。このキャップは牛乳びんと一緒に回収し、洗浄後に細かく破砕されて、さまざまな製品として生まれ変わっています。このキャップの採用もあって、牛乳びんの使用回数は以前よりも増えているといえるでしょう。もちろん、飲み口を覆うことにより破損を防止する、機密性を高める(賞味期限を延ばす)という意味でも役立っています。

乳製品業界全体にかかわる話として、紙の牛乳パックの回収率が35%~45%ほどという現状があります。つまり、半分も回収できていないというわけです。

木から紙を作るにはエネルギーが必要となりますが、牛乳パックをリサイクルすることで省エネルギーに貢献します。もちろん、資源の保護やごみの削減という点でも重要です。

実は、紙の牛乳パックの原料には繊維の長い針葉樹のパルプを使っており、リサイクルの資源として適しています。そこで、乳製品業界全体としては、今後どのように牛乳パックの回収率を上げていくかが課題といえるでしょう。

社内では毎年6月と10月の2回、使用後の紙パックのリサイクルキャンペーンを実施し、工場や事業所に紙パック回収ボックスを設置して、従業員の環境意識の向上につなげています。ボックスに投入された紙パックは、再生紙メーカーによりティッシュペーパーやトイレットペーパーとして生まれ変わります。しかし、社外ではなかなかPRする機会が少ないので、学校などでの出張授業によって訴えていきたいと思います。

当社の「明治ブルガリアヨーグルト」のパッケージは紙でできているのですが、他社さんのプレーンヨーグルト製品ではプラスチックの容器を採用している場合が多いですね。製造が楽で、値段も安いということもあり、当社でもプラスチックの容器に変えるべきではという声がよく挙がります。

明治ブルガリアヨーグルト

コストがかからないという点では環境にいいともいえそうですが、お客様の側では容器を捨てる際にごみ箱がすぐに満杯にならないように、ハサミで切るなどの手間が発生するわけです。しかも、プラスチックはやや厚く丈夫なので、細かく切るのは大変かもしれません。


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