続いて、環境にやさしいパッケージの取り組みもありますね。
環境にやさしいパッケージを採用した製品には、マンナビスケットやパックンチョおやつパックなどがあります。個装フィルムの印刷には、従来から油性インクを使用していたのですが、水とアルコールを使用した水性インクに変更しました。水性インクを使用しているパッケージでは、そのことを示すマークが印刷されています。
油性インクに比べると、水性インクのほうが環境に配慮したパッケージということがいえます。特に、マンナビスケットは赤ちゃんが食べるお菓子ということもあり、安全衛生面からも環境負荷の低減に努めています。
ユニバーサルデザインの採用についてお聞かせください。
ユニバーサルデザインのなかでも、環境に関わる部分についてお話しします。全ての人が使いやすいということで、当社ではユニバーサルデザインを取り入れた製品開発を積極的に進めています。
「森永製菓のユニバーサルデザインの取り組み」というWebサイトがあり、そのなかで、「森永製菓のユニバーサルデザイン6原則」を掲載しています。6原則の第5項目に、「分別、リサイクルしやすいパッケージを探求します。」という内容があるのですが、ユニバーサルデザインを追求するなかで、環境報告書ではこの部分に焦点を当てて記載しています。
具体的には、個装紙箱に半円状のミシン目を入れることで、無理なく折りたたむことができるようにし、廃棄する際には減容化しやすくしています。また、折りたたみ方法が分かるように、マリービスケットなどの一部の製品ではイラストを掲載しています。
現在店頭に並んでいるほとんどの紙箱の製品では、このような対応がなされています。箱を捨てるときに折りたたむことができるので、容量的にも少なくて済むというわけです。製品を購入したお客様に折りたたんで捨ててもらうためには、開梱しやすいような工夫をすることがユニバーサルデザインという観点からは必要ではないかということで、積極的に進めています。
ほかにも、オープンロック機能の付与やジッパー部分を波型にする工夫などを挙げることができます。オープンロック機能とは、一度箱を開けた場合でも、しっかり閉じることができるものです。また、菓子を出す際に直接手に触れる可能性の高いジッパー部分を波型にすることで、以前のミシン目とは異なる、触れた場合でも痛くない、優しい手触りになるようにユニバーサルデザインの工夫を取り入れています。この点、容器包装リサイクル法に関連するところではありますが、紙の減量化や開梱しやすくするための改良を今後も続けていきます。もし、さらに軽くて丈夫な紙が登場したならば、それを採用する可能性だってあるわけです。
「森のふくろう」という取り組みがあるようですが、どのような内容なのですか。
賞味期限は十分あるのに、季節が外れてしまった製品やキャンペーン期間が過ぎてしまった製品など、まだおいしく食べることのできる製品を無駄にしない取り組みとして、リーズナブルな価格で袋に詰め合わせて販売をしているのが「森のふくろう」です。
「森のふくろう」では、売り上げの一部を「財団法人森林文化協会」を通じて寄付するという形で、森林保護のために役立てています。しかし、基本的には在庫を出さないほうが好ましいといえるでしょう。
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