生物多様性の保全の取り組みについてお聞かせください。
当社の生物多様性保全の取り組みについては、今回の環境方針の改訂により、環境基本理念に記載されている環境方針の第6項に反映され、「生物多様性の保全・社会貢献活動に努めます。」という環境目標を2009年版の環境報告書から表明しています。
推進体制として、今年(2010年)の4月に、コーポレートコミュニケーション部内に社会貢献グループを新設したことは先述しました。同グループでは、生物多様性の保全を初めとした社会貢献活動を推進して、自然共生社会の構築に寄与する取り組みを行っています。
そのなかでも森永製菓らしい取り組みとして、子供たちに生物多様性の保全の大切さを体験してもらう「伊賀エンゼル自然塾」や「リトルエンゼル無人島探検隊」などを実施しているのです。
「伊賀エンゼル自然塾」とはどのような取り組みなのですか。
生物多様性の保全と持続可能な社会を目指す新しい取り組みとして、当社の社有地である「エンゼルの森」を舞台に、里山を守り育て、里山文化を次の世代に引き継ぐ「伊賀エンゼル自然塾」を実施しています。2008年からスタートしており、今年で3年目となります。
伊賀忍者の発祥地として知られる、伊賀上野にある生物多様性の高い貴重な里山で、自然体験を初めとして、歴史や生活文化体験など、子供たちに自然と一緒に生きる知恵や環境を守ることの大切さを伝えていきます。
「リトルエンゼル無人島探検隊」についてもお聞かせください。
「リトルエンゼル無人島探検隊」は、森永製菓の創業100周年事業として、1999年から実施されているものです。昨年(2009年)で11年目を迎えました。当初は当社の単独で行っていたのですが、森永乳業株式会社との共催で“おいしく、たのしく、すこやかに”という基本理念の下、未来を担う子供たちの健やかな成長を願って実施しています。
5泊6日という無人島生活のなかで、子供たちが自然の大切さや大きさ、生物多様性の保全の重要さを実感し、人との触れ合いによりお互いを理解しよう、協力しようという意識が芽生えてきます。
生物多様性の保全の取り組みとして、貴重な絶滅危惧種の保護や寄付というのも方法のひとつに考えられるのですが、未来を担う子供たちと一緒に何かを行うというのが、森永製菓らしい取り組みといえるのではないでしょうか。今後も、このような活動をさらに展開し、子供たちの健やかな成長に貢献してまいります。
「リトルエンゼル無人島探検隊」には、毎年どれくらいの子供が参加しているのですか。
毎年50人の子供たちが参加しています。10年以上続いていることもあって、最初に参加した子供が、大人になってからボランティアで再び参加してくれるというケースも増えてきています。
「エンゼル・スマイル・プロジェクト」という取り組みもありますね。
お菓子を通じて世界の子供たちの明るい未来を応援する社会貢献活動を、「エンゼル・スマイル・プロジェクト」と名づけて、「1チョコ for 1スマイル」活動やベルマーク運動などを実施しています。
「1チョコ for 1スマイル」活動とは、どのような活動なのですか。
欲しいものがあっても、学びたいことがあっても、その願いをかなえることができない子供たちが世界には存在します。
当社では、2003年からチョコレートの売り上げの一部を国際NGO「プラン・ジャパン」に寄付し、未来にもっと夢や希望を抱いていいはずの子供たちを支援する、グローバルな活動である「1チョコ for 1スマイル」活動を行っています。
2008年からは、この活動を広めるために年間を通じて行う寄付に加えて、さらに年2回の「特別月間キャンペーン」も展開しています。「ミルクチョコレート」「ダース」「カレ・ド・ショコラ」「小枝」「チョコフレーク」など、チョコレート1個につき1円を寄付し、カメルーン・ガーナ・エクアドルなど、カカオ産出国の子供たちに向けて教育支援を行っています。社会貢献活動に含めてはいますが、自然の恵みであるカカオの持続的な安定供給を図るという意味では生物多様性の保全の取り組みのひとつといえるでしょう。カカオ産出国の支援としては、日本企業では初めて「WCF(世界カカオ財団)」に加盟したという点も挙げることができます。
「特別月間キャンペーン」のときには製品のパッケージでも紹介していることもあって、多くの方々から寄付していただいております。
- “エンゼルのように地球にやさしく!!”
- 環境に配慮した製品づくり-「森永エコインデックス」(1)
- 環境に配慮した製品づくり-「森永エコインデックス」(2)
- “ゆるキャラ”の先駆け?-「ぬ~ぼ~」の取り組み
- 生物多様性の保全の大切さを体験-「伊賀エンゼル自然塾」&「リトルエンゼル無人島探検隊」
- 環境方針の改訂内容が今後の方向性