日本電気株式会社(NEC)

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「NEC環境経営」による持続可能な社会の実現-“IT、で、エコ”

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日本電気株式会社(NEC)

NEC環境ラベル「エコシンボル制度」について、制定の目的や基準をお聞かせください。

1997年12月に「エコシンボル制度」が制定されました。その当時は、グリーン調達などが盛んにいわれていた時期かと思います。

当社が提供する製品を環境に配慮したものにしていくことで、お客様にアピールするという側面も確かにありますが、社内的に制度を設けることにより、基準を満たした製品を開発した設計者にインセンティブを与えて、環境配慮型製品の創出を高めようということが大きな目的でした。

「エコシンボル制度」の基準については毎年レベルアップを図っているのですが、最終的には全ての開発製品について基準を満たし、その状態を継続していくことが目標です。

当該制度では、29項目の「エコプロダクツ基準」と13項目の「エコシンボル基準」の2つが設けられています。

NECで新しく設計される製品については、これらの基準について全て評価をしなければ通過しないという仕組みとなっています。まず、地球温暖化防止や資源循環、有害物質のグリーン化などの基準を全部クリアーしていることが基本となります。そこからさらに、先進性があること、他社類似製品もしくは当社従来製品よりも優れた環境配慮がなされていること、透明性が確保されていることを満たして初めて、エコシンボルが付与されることとなります。

エコシンボル

「エコシンボル制度」は、制定した翌年の1998年から実施されているのですが、現在(2010年7月)では約1万機種が認定されています。昨年度には、本制度の基準を満たした新規製品(※エコシンボル適用比率)は100%を達成しています。今年度の「エコシンボル制度」の達成度については、現在は見直しを行っている状況です。

エコシンボル制度のほかに、「エコシンボルスター制度」というのもありますが。

「エコシンボル制度」というのは、ある意味環境配慮がなされた設計の基準であり、当社の全製品で目指そうとするものです。環境配慮という点において、いわゆる底上げ的な意味合いがあります。

その一方で、地球温暖化抑制や環境負荷削減に効果がある製品について、他社に比べて“ダントツ”に高いレベルを目指していこうということで、「エコシンボルスター制度」を2008年度から実施しています。

エコシンボルスター

それ以前でも環境トップランナー製品という形で、年間1機種~2機種、先進性のある技術を用いた製品だけに適用していたのですが、具体的に「エコシンボルスター制度」として実施されたのは2008年度からとなります。

「エコシンボルスター制度」では、先述したエコプロダクツ基準(29項目)とエコシンボル基準(13項目)を最低限満たしていることはもちろんですが、それに加えて「地球温暖化防止」「資源循環」「評価」「技術的優位性」の4項目のいずれかで“ダントツ”といえる環境優位性を実現する必要があります。

地球温暖化防止の項目では、CO2排出削減率50%以上の達成(※従来製品比)や、業界初の技術を導入することを設けました。資源循環では、バイオプラスチックの80%以上使用(※筐体用プラスチック総重量比)などを設定しています。さらに、評価では社内外の表彰を受けている、技術的優位性ではNECの技術をもって圧倒的に環境負荷削減に貢献できることなどを設定しています。

これらの基準を満たしていることを、当社の審査会においてプレゼンテーションを行い、審査を経てから正式に採用されることとなります。

当初「エコシンボル制度」を始めたときには、同様の制度が他企業では行われていないこともあって、制度自体で先進性を有していたのですが、現在では各社でも同様の取り組みを実施しています。そのため、規格や製品の性能にそれほど差があるというわけではありません。そのような状況下では、トップレベルで環境に配慮された製品でなければ、お客様に訴求することは難しいのではないかと思います。そのような理由もあり、「エコシンボルスター制度」を改めて設けたという経緯があります。

「エコシンボルスター制度」の代表的な製品として、どのようなものがありますか。

2008年に認定した、Express5800サーバ「ECO CENTER」というものがあります。従来と比較して54%もの省電力や50%の省スペース、60%の軽量化を実現したほか、設計面における冷却効率やデータセンター、クラウド化という点において非常に大きな役割を果たしています。これらは省エネでの先進性という意味では、大きな訴求ポイントではないかと考えています。ちなみにこのサーバは、「エコプロダクツ大賞環境大臣賞」や「グリーンITアワード2008経済産業大臣賞」などを受賞しています。

 Express5800サーバ「ECO CENTER」

PCでは「Metaシリーズ MY25G/E-A」などのモデルで、消費電力を大幅に削減させています(約60%)。これらのPCのモデルには、「ECOモード」など実際に使用される方に省エネを意識させる機能を装備させています。

2008年に開催された洞爺湖サミットの「ゼロエミッションハウス」では、当社の環境配慮型PCのコンセプトモデルを展示しました。CPUの稼働率やディスプレイの輝度を抑える省電力モードにワンタッチで切り替え可能な「ECOボタン」、長寿命化を追求したニッケル水素電池のバッテリパックの搭載、バイオプラスチック筐体など当時の最先端の環境性能を組み込んだものでした。

 ECOボタン

洞爺湖サミットでは当時の最先端の技術を用いたPCを展示したのですが、そのとき採用した個々の要素は、全て現在販売している製品に適用されています。

省電力モードに切り替え可能な「ECOボタン」や難燃性バイオプラスチックなどは、今年(2010年)1月に発売したデスクトップPCにも採用しているように、現在ではすでに製品に組み込まれて販売されています。

特に、バイオプラスチックは「Nucycle™(ニューサイクル)」というブランドでPCへの適用を開始しましたが、このバイオプラスチックはとても高い植物率と難燃性を両立しているからこそ、PCへの適用が実現できました。

難燃性バイオプラスチック「Nucycle™」

また、PCとは別の省エネへのアプローチとして「シンクライアント」があります。シンクライアントとは、PC本体でソフトウェアを動かすのではなく、サーバ側でソフトウェアを管理・運用するものです。つまり、重要なアプリケーションソフトやデータはPC側で保有しないディスクレスのクライアント(コンピュータ)のことであり、PC側では最小限の機能のみ搭載して、アプリケーションはネットワークでサーバにアクセスをして実行することとなります。これにより、サーバ側で効率化を図ることができ、トータルで省エネ化を実現することが可能です。従来のPCと比較して、200台導入した場合で計算すると年間の電力消費量を最大62%も削減するができます。

環境面だけではなく、セキュリティ対策という点においても、ハードディスクを持たないシンクライアントはメリットがあるといえます。

シンクライアント「US110」


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