ニチバン株式会社

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環境管理グループの誕生がきっかけ

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ニチバン株式会社

環境に配慮した商品についてお聞かせください。

弊社のホームページで閲覧することができますが、製品に配慮した製品カタログとして「ECOLOGY CATALOG」があります。

エコプロダクツで展示した、ニチバンの「セロテープ®」は、実はとても環境を配慮した製品です。基材に用いているセロハンは、再生可能な植物資源の樹木(木材パルプ)を原料としており、「生分解」されるフィルムです。また、粘着剤の主原料として天然ゴムや天然樹脂を使用し、巻心(まきしん)には再生紙を使っています。さらに、焼却時に有害ガスを発生させることがないので、環境汚染の心配もありません。見た目だけではすぐに区別できないかもしれませんが、「セロテープ®」は石油系のテープとは大きく異なり、弊社製品のなかでも環境配慮におけるトップランナーといえます。エコプロダクツでもご紹介しましたが、実験では微生物などの環境が整った土壌の場合、4ヶ月ほどでほとんど分解されることが分かっています。

セロテープ®

「ナイスタックエコ®」や「リサイクル可能クラフトテープ」などの「ecoのり®」シリーズは、紙をリサイクルする際に紙を水中で再分散させるのですが、細かい粒子として分散する粘着剤を採用しており、貼ったままで紙を再生することができます。

「ナイスタックエコ®」など「ecoのり®」シリーズの製品

紙を再生する場合、一度水に溶かしますが、通常の糊では粘着剤の塊が発生してしまいます。一昨年(2008年)のエコプロダクツで、「ナイスタックエコ®」と一般タイプの両面テープを貼ったものの紙の再生について比較しました。一般タイプの両面テープでは粒子は小さくならないので、粘着剤の塊が生じます。紙として再生しそれを乾燥させても、粘着剤の塊が目で見てわかります。

しかし、「ナイスタックエコ®」の場合は、水に溶かすと細かい粒子になり、貼ったままでも紙として再生することができました。「ecoのり®」の優れた点を改めて感じました。

従来品と「ecoのり®」におけるパルプと粘着材の粒子の比較

「ecoのり®」の特長を簡単にご紹介すると、テープを剥がさず紙に貼ったままでもきれいな紙に再生できることです。普通は紙にテープを貼ったまま再生しようとすると、糊が細かく分散されず、ミキサーにかけても塊が残ってしまいます。

「ecoのり®」の場合には、水で攪拌(かくはん)すると細かい粒子に分散されます。そのため、一般に紙を再生する場合はテープなどを取り除いておく必要がありますが、「ecoのり®」製品であれば剥がす必要がなくなります。

最近は3Rなどといわれていますが、「再生PET布粘着テープ」では、ペットボトルの再生繊維を利用しています。巻心は古紙配合率100%の再生紙であり、粘着剤には有機溶剤を使用していないホットメルト塗工方式を用いた環境を配慮したテープです。ホットメルト塗工方式で用いる粘着剤は、常温では固形や半固形の状態ですが、加熱すると塗工可能となる性質を持っています。

粘着テープでは、溶剤系粘着剤からホットメルトへの切り替えが進んでいます。

再生PET布粘着テープ
テープのりDS

医療系でも、環境に配慮した商品はあるのですか。

医療(メディカル)系の製品で最も求められることは機能であるため、環境への配慮は包材が中心となっています。また、直接肌に触れるため、安全であることが重要です。可能な限り環境に配慮した製品を作りたいと考えますが、機能や安全性が欠落してしまってはいけないので、まずは包材の環境配慮を進めています。

今後の製品開発において、廃棄物削減という観点からは包材の削減・縮小を積極的に行う必要があると考えています。特に、CO2排出量の削減という観点からも取り組む必要があります。具体的な方法については、社内で十分に考えていかなければなりません。


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