日清食品ホールディングス株式会社

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おいしくてエコ!-「カップヌードルリフィル」

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日清食品ホールディングス株式会社

今回の「エコなニュース」は、「チキンラーメン」や「カップヌードル」でおなじみの日清食品株式会社を傘下に持つ、日清食品ホールディングス株式会社様の取り組みをご紹介。

日清食品ホールディングス株式会社様では、「カップヌードルリフィル」の開発など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。

管理本部 広報部 主任 安武様

早速ですが、よろしくお願いいたします。

環境への取り組みを始めたきっかけについてお聞かせください。

日清食品グループでは、「日清食品グループ環境憲章」に基づき環境経営を行っています。

当社は世界で初めてインスタントラーメンを生み出した企業です。国内からスタートして、現在では世界12ヶ国で展開しており、グローバルに展開している企業の社会的責任として、環境への取り組みも積極的に進めていかなければならないと考えています。そこで、1999年に「日清食品グループ環境憲章」を制定することとなりました。

環境憲章は基本理念に記載されているように、「日清食品グループは、社会との共生を図り、地球環境の改善に努める」という内容が中心となります。この環境憲章に基づき、グループ全社で環境マネジメントを推進する体制を構築しています。

環境憲章の基本理念を具体化した「カップヌードルリフィル」という商品を発売していますが、その内容についてお聞かせください。

詰め替え用のリフィルシリーズの第1弾として発売したのが「カップヌードルリフィル」です。

通常のカップヌードルは麺や具材が容器に入っているわけですが、食べ終わったあとには容器がゴミになってしまいます。

しかし、リフィルシリーズは通常のカップヌードルの麺を圧縮しているため、省資源、省スペースを実現しています。コンパクトなので、包装材の使用量が少なくなるほか、保管時に場所を占領することなく、ゴミも少なくて済むというメリットがあります。このような特徴を持つリフィルシリーズは、まったく新しい食スタイル、食シーンを提案する環境配慮型製品として発売しました。

カップヌードルリフィルシリーズ&カップヌードルリフィル用マグカップ"

最初にリフィル化したのは、2007年に登場したカップヌードルとカップヌードルシーフードです。以降、順次バリエーションを加えていき、チキンラーメン・どん兵衛きつねうどん・どん兵衛天ぷらそば・カップヌードルカレーとラインナップが続いています。

お客様の環境問題に対する関心が高まっているということを受けてリフィルを発売したのですが、当社としては新しい食スタイル、食シーンを提案することで、お客様の多様なニーズにお応えし、選択の幅を広げたいと考えています。リフィルシリーズを初めとした環境対応の商品というのは、今後も拡充する予定であり、当社の柱のひとつと捉えています。

「カップヌードルリフィル」について、圧縮して省スペースになっているというお話がありましたが、その内容量は容器の製品と同じなのですか。

そうですね。内容量は通常のカップヌードルとほぼ同じです。リフィルは、麺の密度を高めることで圧縮しています。複合フィルムの底材に密度を高めた麺とカップヌードルのスープ、具材を入れ、複合フィルムでシールされています。脱気包装など、コンパクトにすることで、包装材の重さを約4割削減することに成功しました。これは既存の製品では作ることができなかった新しい製法であり、この点は開発において苦労した部分だといえるでしょう。

中身の入れ方も工夫しており、リフィルの蓋を取ると、麺が通常のものと異なり逆の状態で入っています。通常のカップヌードルでは蓋を取ると麺の上に具材が乗っているのですが、リフィルの場合には具材が麺の下になっているのです。リフィルから容器に移す場合、蓋を開けたリフィルにガラスカップやマグカップを被せて、それを反転させ、リフィルから中身を押し出すと通常のカップヌードルと同じようになります。具体的な方法は「楽しく食べてエコスタイル」というサイトに動画を掲載していますので、ぜひご覧になっていただきたいですね。

「カップヌードルリフィル」について、お客様の反応はどのようなものでしたか。

リフィル製品を出していただいてよかったという声や、まだあまり市場に出ていないということもあり、どこに行けば購入できますかという声もいただきました。特に環境問題に非常に関心の高い方が、リフィルを選択されるケースが多いようですね。

リフィルシリーズは、当社の製品全体のボリュームからすると、割合としてはまだ小さいものの、お客様の多様なニーズに応えていくことが必要だと考えています。

リフィルシリーズは今後も続けていく予定ですが、やはりインスタントラーメンのなかで一番食べられているカップヌードルそのものも、時代の変化に合わせ、さらに環境の側面を考慮して変わっていかなければならならないと考えました。そのため、2008年4月に発泡スチロールから紙の容器「ECOカップ」に変更しました。

カップヌードルは、1971年に誕生した世界初のカップ麺であり、発売以来、世界で累計290億食も消費されている製品です。最初に登場してから、変わらぬおいしさが支持されています。しかし、時代は変わってきており、カップヌードルもそれに合わせて進化しいくべきだと考えています。

時代に合わせてというお話がありましたが、そういえば、カップヌードルのなかのお肉が変わりましたね。

以前のカップヌードルに入っていたお肉は「ダイスミンチ」といいます。これは、ミンチ肉をサイコロ(ダイス)状に固めてフリーズドライしたものです。

それに対して現在入っている「コロ・チャー」は、チャーシューをサイコロ状に切ったお肉を乾燥させたものです。ダイスミンチよりも“肉のジューシーなうまみ”が感じられるのが特徴で、2009年4月から採用ました。2008年4月の紙カップへの変更と合わせて、カップヌードルの大幅な変更といえるでしょう。

当社では3C戦略というものを打ち出しており、それに基づいて製品展開を行っています。これには、「Core Brand」「Company Brand」「Concept Brand」という3つの「C」があります。

例えば、カップヌードルのようなおなじみの製品は「Core Brand」に含まれます。「Core Brand」の商品は、カップヌードルの具材が「コロ・チャー」となったことや、麺の質を改良してストレート麺や太麺にしたことなどのように、技術革新によって既存のブランドをさらによいものしていきます。

カップヌードルのオープンプライス版商品である、スープヌードルのような製品は「Company Brand」に該当します。価格を重視されるお客様もいると思いますが、そのような方に向けて、お買い得感のある製品を出していこうというのが「Company Brand」の方向性です。

カップヌードルリフィルや電子レンジで調理できるニッチンシリーズ、カロリーオフのカップヌードルライトなど、新しいカテゴリーを創造し、食の楽しさ・驚き・感動を提供していく切り口の製品が「Concept Brand」です。

カップヌードルライト"

マーケティングなどでは、よく消費が二極化しているといったことがいわれますが、当社の場合は“三極ある”と考えています。より高い品質のものをお求めになるお客様がいる一方、価格を重視される方や、新しいものを試してみたいというお客様もいます。そのような3つの層に向けて、これからも製品の展開を行っていきます。実は、リニューアルも含めると、当社だけでも年間で300種類ものインスタントラーメンを販売しています。つまり、ほぼ毎日インスタントラーメンを出していることになるわけです。お客様の多様化するニーズに合わせて、当社では様々な商品を発売しています。


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