日清食品ホールディングス株式会社

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おいしくてエコ!-「カップヌードルリフィル」

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日清食品ホールディングス株式会社

発泡スチロールの容器と紙の容器では、環境面や機能面において、どれくらい違うのですか。

カップヌードルの紙容器を、当社では「ECOカップ」と呼んでいます。この“ECO”の「E」は「for Ecology(地球のために)」、「C」は「for Customer(みんなのために)」、「O」は「for Originality(おいしさのために)」という、それぞれの頭文字を取っています。

ECOカップ"

「for Ecology」の側面から説明していきましょう。「ECOカップ」はバイオマスである紙を素材としており、原料である木は成長するときにCO2を吸収します。CO2の発生量自体を考えた場合、発泡スチロールよりも紙のほうが発生量は少ないということになります。

次に「for Customer」を説明します。従来使用していた発泡スチロール容器は、細かい文字を印刷しづらいという問題がありました。しかし、紙の場合は細かい文字でもきれいに印刷することが可能なため、側面にも詳細な情報を掲載することができます。それに合わせて上蓋の文字を大きく、見やすいレイアウトに変更するとともに、アレルゲン表示や食塩相当量、必要なお湯の目安量などの情報も新しく加え、お客様の求める情報をできる限り多く盛り込むようにしました。

製品におけるアレルゲン表示"

最後は「for Originality」の説明です。これは、製品のおいしさのことを意味します。「ECOカップ」は、従来の発泡スチロール性容器よりも湿気からのバリア性が高いことが特徴です。インスタントラーメンは乾燥することで長期保存を可能にしていますので、湿気の遮断性は品質上重要です。湿気を遮断することで、おいしさが長持ちするわけです。

さらに、2008年に起こった「移り香」問題に対応し、PET(ポリエチレンテレフタレート)の素材を内側の層と外側に加えたことで、容器のバリア製をより高めた新ECOカップを導入しています。

ECOカップの5層構造"

このような、「for Ecology」「for Customer」「for Originality」という3つの点から改良を加えたのが、「ECOカップ」なのです。

ほかのインスタント製品でも、今後は紙容器に変更していくのですか。

ほとんどの縦型容器の製品は、カップヌードル以前から、すでに紙製のものに変更しています。印刷についてのお話をしましたが、発泡スチロールの縦型容器には、製品の完成写真を掲載して“シズル感”を出すことができなかったのです。カップヌードルであれば、多くの方がお湯を注いで3分経った完成したものを想像することができるかと思いますが、ほかの商品でも完成品がどのようなものかイメージをお伝えするために、早い時期から製品のシズル感を出すことのできる紙に変更していました。

ただし、どん兵衛などの「どんぶり型」の容器については、現在でも発泡スチロールのものを採用しています。

容器のほかにも、カーボンフットプリント表示を業界に先駆けて取り組んでいるようですが。

日清食品では、インスタントラーメン業界に先駆けてライフサイクルアセスメントの意識を浸透させるために、2008年から、主な製品のカーボンフットプリント算定の検討を始めています。

2008年6月には、経済産業省の「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」に参加し、カーボンフットプリントの算出方法や条件を検討しました。そして「エコプロダクツ2008」では、カーボンフットプリント表示のなされたチキンラーメンを展示しています。

2009年4月から、カーボンフットプリント制度試行事業がスタートしており、国内では同制度の試行導入が開始されました。制度自体はまだ手探りの状況といえますが、当社では引き続いて同制度に参画し、製品のCO2排出量の削減とカーボンフットプリント制度の普及に取り組んでいます。

他の食品産業と比較して、インスタントラーメンは使用している原材料が多岐にわたり、原材料の産地も世界中に広がっています。そのため、CO2排出量を算出するのは大変な作業です。現在はその算出方法などを含め、経済産業省と一緒に検討している状況です。

しかし、地球温暖化対策という視点から見たときに、インスタントラーメンのリーディングメーカーでありパイオニアとして、当社が業界に先駆けてカーボンフットプリント表示を検討する意義は非常に大きいと考えています。

「エコプロダクツ2008」で出展したブースはどのようなものでしたか。

2008年はちょうどカップヌードルの容器が「ECOカップ」のものに変わった年ということもありましたので、日清食品の環境の取り組みをさらに多くの方に知っていただくために出展しました。カップヌードルの紙製容器「ECOカップ」や、詰め替え用の「リフィルシリーズ」、パッケージにカーボンフットプリント表示を行ったチキンラーメンなども展示しました。

ブースに来た方の反応はどのようなものでしたか。

ブース内に展示されている製品に関する内容だけではなく、当社の全般的な取り組みについて質問される方がとても多かったですね。


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