王子製紙グループ

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2015年度に向けた環境に関する目標「環境行動目標2015」

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王子製紙グループ

「環境行動目標2015」の目標のひとつ、「森のリサイクル推進」では海外で植林地の面積の拡大を掲げていますが、そもそもなぜ国内ではなく海外なのですか。

国内では、紙の需要を満たすための十分な植林地を確保できないことが大きな理由のひとつです。

海外植林について少しお話しをさせていただきますと、成長が早いユーカリなどの広葉樹を、平坦で広い土地を確保できるオーストラリアや東南アジアなどで植林をしています。

植林する場所は、例えば、オーストラリアであればかつて牧草地として使っていたところ、東南アジアならば草地・荒廃地などの未利用地です。

温暖な場所で植林をすると、樹齢7年から10年程度の短いサイクルで製紙用の原材料として利用できるまでに成長します。森林がないところに植林を行うのは、CO2吸収源を増加させることにもなるため、地球温暖化防止にも貢献していると考えています。

王子製紙グループは、「木を伐(き)ったら、それ以上に植える」という理念に基づいて森のリサイクルを実践するとともに、さまざまな配慮と社会貢献に努めています。具体的には、植林をする地域住民との十分なコミュニケーションにより植林の理解を深めていただき、ご協力いただくこと、植林することを許可された地域に天然林がある場合は天然林を残したり、稀少動物がいればその保全を支援したりするなど生物多様性への配慮を行っています。さらに、インフラ整備のための資材(学校や井戸など)提供も実施しています。

このような取り組みが認められ、海外植林地では国際的な森林認証制度である「FSC認証」などの取得を推進しています。

海外植林地

海外植林は、具体的にどのような地域で行っているのですか。

現在(※2012年1月現在)植林を実施しているのは、北米ではカナダ、南米ではブラジル、オセアニアではオーストラリアやニュージーランド、東南アジアはベトナムやラオス、インドネシアです。また、中国でも植林を行っています。

海外植林の分布図

海外植林の面積はどれくらいなのですか。また、海外植林は今後も進めていくのですか。

2010年度の海外植林地の面積は24万ヘクタールですが、2015年までに30万ヘクタールまで拡大する予定です。そのほとんどが、ユーカリとアカシアの植林地です。24万ヘクタールというと、神奈川県の面積とほぼ同じです。

国内の紙や板紙の需要はリーマンショック以前までには戻っていませんが、中国やインド、アフリカなどの海外では、今後は紙の利用が増加すると予想されています。その需要に対応するためにも、海外植林を含め海外事業を拡充することは重要といえます。


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