今回の「エコなニュース」は、株式会社資生堂様の取り組みをご紹介。
株式会社資生堂様では、環境に配慮した商品の開発など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。
前編では、全社的な環境への取り組みや、商品開発における環境配慮についてお伺いします。
- お客さま・社会リレーション部
環境統括室
参事
尾高様
- お客さま・社会リレーション部
環境統括室
蔵内様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
環境への取り組みを行うきっかけについてお聞かせください。
まずは、弊社の社名の由来についてお話したいと思います。弊社の社名は中国の易経の一節にある“至哉坤元 万物資生(いたれるかなこんげん ばんぶつとりてしょうず)”に由来しています。これは、“大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか。すべてのものは、ここから生まれる。”という意味です。
資生堂は1872年(明治5年)の創業時から「地球の恵み」を糧として商品を生み出し、138年(※2010年現在)という歴史を積み上げてきました。そう考えると、私たちの会社は「地球の恵み」の恩恵があったからこそ、事業活動を続けることができたといえるでしょう。
資生堂の企業理念は、「私たちは、多くの人々との出会いを通じて、新しく深みのある価値を発見し、美しい生活文化を創造します」という内容です。
この企業理念を踏まえ、1992年に「資生堂エコポリシー」を制定しました。これは、資生堂グループ全体の環境における経営方針であり、環境を考える上で立ち返るべき、普遍的なものです。「資生堂エコポリシー」は、次の4つを内容としています。
1. 生態系に配慮し、資源・エネルギーを大切に利用します。
2. 環境に負担をかけない新技術の開発と応用を促進します。
3. 一人ひとりの環境保護意識の向上を図ります。
4. 地域や社会との連携に努めます。
「資生堂エコポリシー」の具体的な内容についてお聞かせください。
「資生堂エコポリシー」は弊社の環境活動の源となるべきもので、何かに迷ったときにはいつでもここに立ち返って確認しています。
1に「生態系に配慮し」とありますが、これは最近よく耳にする「生物多様性の保全」を意味しています。2010年は生物多様性年と言われていますが、1992年の時点ですでに、エコポリシーの最初に挙げています。生物多様性が話題となる以前から、まず最初に生態系への配慮を掲げていたわけです。
2には「新技術」とあります。弊社は“メーカー”であるため、商品開発に結びつく技術開発は重要です。機能や使用性の向上だけでなく、環境に負担をかけない技術の開発と応用を促進することを明言しています。
3では、環境対応というと主に工場や研究所の問題と捉えがちなところを、そうでなく、社員一人ひとりが環境意識を持たなければならないことを意味しています。
4では、社内だけでなく、地域・社会のステークホルダーと連携して、社会全体で地球環境の改善に貢献していくことを表しています。
これらのことを通じて、社名の由来で触れた“地球の恵み”に恩返しをしていくことを目指しています。
- 環境への取り組みは創業時から-「資生堂エコポリシー」
- 環境を経営の中核に-「資生堂アースケアプロジェクト」
- 「美」と「エコ」をつなぐ商品と「エコの木」