今回の「エコなニュース」は、株式会社資生堂様の取り組みをご紹介。
株式会社資生堂様では、環境に配慮した商品の開発など、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。
後編では、具体的な環境に対する社内の取り組みや、環境活動のWebサイトについてお伺いします。
- お客さま・社会リレーション部
環境統括室
参事
尾高様
- お客さま・社会リレーション部
環境統括室
蔵内様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
「エコアイデア募集」などユニークな取り組みをなさっていますが、社内における環境活動についてお聞かせください。
「エコアイデア募集」については、現在までに2回実施しております。1997年に1回目のエコアイデア公募を実施し、そのときには584件のアイデアの応募がありました。そのなかから実際に採用されたアイデアとして、「BC(ビューティーコンサルタント)」と呼んでいる、店頭でお客さまと応対する美容部員の制服を、ペットボトルをリサイクルした繊維(PETリサイクル繊維)によって作ったというものがあります。
2回目のエコアイデア公募は2007年に実施され、1回目よりもかなり多い約19,000件もの応募がありました。その背景として、弊社代表取締役社長の前田が、一人ひとりの社員に向けて経営において環境に注力することを呼びかけたということがありました。実際に採用されたアイデアはいくつもありますが、そのひとつが「椿の森」の誕生です。
「椿の森」についてもう少し聞かせてください。
昔から椿が咲く地として有名だった和歌山県西牟婁郡(にしむろぐん)白浜町椿にある1.7haの土地に、弊社のシンボルでもあり、ブランド名にもなっている「椿」を約3,000本植樹しました。そこを「椿の森」と名付けて、昨年(2009年)10月に社員とそのご家族による1回目の植林ボランティア活動を実施しました。もともとは、近畿圏の社員とそのご家族を中心に想定していましたが、関東から参加された社員がいるなど、予想以上に多くの方々に参加いただきました。実際クワやカマを使って作業をすることで、参加者の環境問題への意識啓発や、椿への想いを深めることができたのではないかと思います。
将来的には、植えた苗木から椿の実が採れ、その実を原料として商品等に活用することで、事業活動と自然保護活動を継続的につなげていく「循環型モデル」が実現できたらと考えています。この椿の森での森林保全活動は、今後10年間続けていく計画です。
「TSUBAKI」という商品にも、環境に配慮した点があるのですか。
TSUBAKIのシャンプーなどの商品と特製サンプルなどをセットにしてリーズナブルな価格で発売することがあります。このようなセット品の場合、通常は、プラスチックのケースにまとめて入れることが多いと思いますが、TSUBAKIではプラスチックのケースを紙製ケースに変更して発売しました。
(前編の)アクアレーベルやURARAのお話しのところで、樹脂の使用量を減らすというお話をしましたが、TSUBAKIのヘアマスクの容器についても樹脂の使用量を減らしています。これは「薄肉化(うすにくか)」と呼んでいるのですが、容器の厚さを薄くするということです。薄肉化はTSUBAKIだけでなく、「スーパーマイルド(SUPER MILD)」などの商品でも採用しています。薄肉化は可能な限り行っており、中味の品質保持を前提に、なるべく薄くしていけるように改良を重ねています。
樹脂の薄肉化は、1個当たりの削減量は小さいのですが1mm薄くできただけで商品全体では樹脂量の大幅な削減につながります。他の業界と比較すればインパクトは小さいかもしれませんが、見えないところのこうした小さな積み重ねこそ、大事にしていきたいと考えています。
- 社長が率先して呼びかけ-「エコアイデア募集」
- 不要な事務用品を循環-「エコベストセンター」
- 植林活動と工場周辺の清掃活動
- 「美」と「エコ」をつなぐ新しいライフスタイルを提案
- モノづくりにおける全てのライフサイクルで環境への取り組みを
- 担当者の想いを紹介するWebサイト