株式会社資生堂 :: 後編

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社長が率先して呼びかけ-「エコアイデア募集」

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株式会社資生堂 :: 後編

これだけは話しておきたいということがあれば、お聞かせください。

環境への取り組みについては、ほかにもお話したいことはたくさんあります。

弊社のモノづくりにおけるライフサイクルを、研究・商品開発・調達・生産・物流・販売といった6領域に分類しており、これにどの社員も関連する「オフィス」を加えて計、7領域において環境に関する活動を進めています。

生産領域のユニークな取り組みとして「10面体ダンボール箱」をご紹介します。

「10面体ダンボール箱」は、ある社員が飲料メーカーのダンボールが10面体であるのを見て、これを活用できないかと考えたのがきっかけです。10面体ダンボール箱は側面が増えることで縦の支柱が増え、それによって箱の強度が高まり、ダンボール紙の厚さを約10%薄くすることが可能です。また、隙間なく商品を詰め込むことで箱のサイズを小型化することができ、ダンボール資材の削減と配送効率の向上によって、年間800トン以上のCO2削減を実現することができました。

10面体ダンボール箱

「ガラスびんリサイクル」は弊社の代表的な環境への取り組みであり、化粧品会社でこれを行っているのは弊社だけです。ガラスびんリサイクルは資生堂だけで行うものではなく、お客さまにも協力していただく取り組みです。お客さまには洗ったガラスびんを店頭まで持参していただき、資生堂の商品を扱っているお店の方が預かり、保管します。そのびんを資生堂商品の配送車が回収し、静岡県掛川市にあるカレットセンターで破砕され、ガラスびんメーカーに「カレット」として納入されます。そこで再びガラスびんとして生まれ変わり、資生堂の化粧品に利用されることとなります。

また、ビューティーコンサルタントの使用済みコスチュームについては、環境にやさしい方法でリサイクル処理を行っています。制服は3年間貸与するという形になっているのですが、今までは貸与期間が終わると廃棄しており、「サーマルリサイクル」として焼却時に発生する熱だけを再利用していました。

2009年からは処理方法を、より環境にやさしい方法へと変更し、「ケミカルリサイクル」を実施しています。これによって、繊維を化学原料などに100%再資源化することが可能となり、処理後の残留物(灰)やリサイクル処理におけるCO2の排出も、ほとんどありません。

ビューティーコンサルタント(美容部員)の制服

最初のほうで“「美とエコをつなぐ新しいライフスタイル」を実現する”というお話をしましたが、その実現に近いものとして「クレ・ド・ポー ボーテ(cle de peau BEAUTE)」という弊社の最高級ブランドがあります。メーク落としと洗顔は、それぞれ別々のものを使うのが普通ですが、このブランドでは昨年(2009年)夏に、それぞれの効果を損なうことなくひとつでできる商品を開発し、発売をしました。メーク落としと洗顔でお湯や水を2回使うところを、1回でできることによってエコにつながったわけです。それは、美を損なうことなく中味の改良に成功したことで、まさに「美」と「エコ」をつなぐ商品だといえます。今後は、さらにこのような商品を数多く開発し、発売していきたいと考えています。


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