取引先側での化学物質のチェックというお話がありましたが、具体的にはどのような体制になっているのですか。チェックに当たり、チェックリストやデータベースを用いて管理をなさっているのでしょうか。また、チェックの際の基準というようなものがあるのでしょうか。
ソニーでは「SS(ソニー・スタンダード)-00259」という全世界共通の化学物質管理基準を持っています。この基準では、取引先に対して「ソニーに納品する部品は、特定の有害物質を含まないでください」ということを規定しています。その管理基準を取引先にお渡しし、守っていただきます。
まず取引先に対して「グリーンパートナー監査」というものを実施します。「グリーンパートナー監査」ではチェックリストを用いて、例えばサプライヤー側でカドミウムを使っている工程があるか、工程がある場合に物理的にその生産ラインと隔離されているか、一次取引先だけなく、そこからさらに業務を請け負う会社まで十分に管理をしているかについてのチェックも行います。それらのチェックを合格した取引先のみ、取引を行う仕組みになっています。
これは、取引先が基準を守れる能力があるかどうか、監査でしっかりと見るという意味もありますが、特に重要なのはこれらによって、取引先との信頼関係を築くことです。
さらに、取引先側からは不使用証明書とエビデンス(証拠)をいただき、この2つがそろって初めて部品を受け入れることになります。その上でさらに、ソニー側でも測定を行い、環境に影響のある化学物質を含まない製品作りを確実なものにします。法律があるヨーロッパでは、製品の出荷時にさらに一部の化学物質の測定を行った上で、製品が市場に出ることになるわけです。
- 製品作りにおける環境負荷を認識しよう
- ソニーの環境方針-「Green Management 2010」
- 製品技術の向上と環境への取り組みのバランス
- 環境のために部品のチェックも妥協しない-「SS(ソニー・スタンダード)-00259」
- 製品にも環境への配慮-<ブラビア>JE1
- 「コミュニケーション」が環境への取り組みのカギ
- エンターテインメント分野でも環境を考える