株式会社学習研究社

マスコミ

ホタルを通じた環境意識-「ほたるキャンペーン」

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株式会社学習研究社

学研というと、漫画で学べる書籍の印象がありますが。

以前から「ひみつシリーズ」という、漫画で学べる書籍を出版しており、現在でも弊社のロングセラーとなっております。この「まんがで学ぶ」という手法を使って新たに興したのが、「学研まんがでよくわかるシリーズ」です。

実はこのシリーズには、価格が表示されていません。市販されているのではなく、全国の小学校23,500校と約3,000の公立図書館に無料でお配りしているものなのです。ただし、1冊の本(1業種)に1企業に関することが内容になっていることもあって、企業様にスポンサーとなっていただき、「協賛金」という形で資金をいただいております。2008年4月現在では40シリーズにもなります。

「学研まんがでよくわかるシリーズ」

東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ展」に毎年出展していますが、この「学研まんがでよくわかるシリーズ」などの受託出版を通じて、各企業様の環境広報活動をサポートすることが弊社の出展意図でもあります。

このシリーズは企業様だけではなく、各種協会の活動も採り上げています。

子どもたちの反響はどのようなものですか。

年々学校からのご要望が増えております。やはり漫画で解説すると、子どもたちは喜んでくれますね。先生方には、ハイブリッドエンジンや環境の内容が授業で使えることもあって好評のようです。授業のなかには自動車工場の内容もありますし。

このシリーズとは別に、児童・生徒や先生方に無料でお配りしている副読本も作っています。例えば先ほど「ハイブリッドカーゲーム」のところで少し触れましたが、トヨタ自動車株式会社様と協同で「クルマまるわかりブック」を編集・制作いたしました。この本は授業の副読本ですが、自動車のトランプが付録になっております。児童や先生に、とても好評でしたね。実はこのトランプの車種ですが、どれがスペードのエースで、どれをキングにすべきか十分検討した上で決められています。現在製作中の2008-2009年度版は、どういう新車が入ってくるか、私たちも楽しみなんですよ。

ただこのような出版関連を通じていえるのは、企業は現在行っている環境活動をどのように子どもたちに知ってもらうかについて、試行錯誤しているということです。大人向けのCSRレポートなどは作っているところは多いのですが、子どもに分かりやすいものはなかなかないようですね。あまりそのようなものを作る人がいないという事情もあるようです。

小学校の話が中心ですが、幼稚園から一般の社会人まであらゆる人を対象に、環境問題への意識を持ってもらうようにと考えています。

BtoBとしては今までのお話のとおりですが、BtoCでは書籍・教材・インターネット・キャンペーンという形で展開させていただいております。

昨年、文部科学省の委託事業の一環として、土曜日に小学校の教室を借りて環境学習教室を開設しました。学校現場と民間企業との連携についてのハードルは低くなってきています。今後は、各企業様と連携した環境学習教室の実施などの機会が増えるでしょう。

また、地球温暖化などに関する問題が入試で出題されるようになり、環境に関する講座を開設する進学塾も出てきています。そのような面からも環境学習のニーズは高まっていくと思います。

子どもの卒業式で、卒業証書をもらうときに将来自分がなりたいものを舞台の上で発表していたのですが、野球選手やペット関係の職業がランクインされているなか、「人のために役立つこと・環境に関連する仕事」を挙げた子どもたちも多くて驚きました。

社内の環境意識はどうですか。

「ISO14001」といった環境マネジメントシステムの認証を取得していますが、2008年で5年目に入り、既に2007年で1回目の更新登録が終わっております。そのようなこともあって、比較的に他社様よりも環境問題への意識が高い人が多いという話はよく耳にします。

社員の環境問題への関心は高いと思います。デジタル化による紙の使用量の削減などは環境と経済の両立に直結する課題であり、社員の意識は自ずと高くなります。

また、環境教育・啓発関連事業の推進を環境方針に掲げていますが、出版活動を通じて読者や子どもたちに間接的な影響を与えていくことは、弊社の本業にマッチしていると思います。

社会的に環境問題に意識を向けていなかった頃から、弊社では環境問題について取り組んでおり、そういった意味では下地があったといえるでしょう。

子どもたちへのメッセージなどはありますか。

最近は、疑問や好奇心を持っている子どもたちが少なくなってきたといわれています。そこで学研は、子どもたちに「なぜだろう、どうしてだろう」という意識を持って欲しいというメッセージを込めて、教材や本を作っています。

弊社には「環境憲章」というものがあるのですが、「人々の地球を大切にする心を育む」ということが事業の根幹となっています。ここにあるように環境への意識を啓発し、地球を大切にする心を持ってもらうためにも積極的に取り組んでいきたいと思います。

弦川様 大森様 島田様 中村様 吉岡様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。環境問題を子供たちに分かりやすく伝える工夫に脱帽です。

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