「エコなニュース」では、企業だけでなく区役所など官公庁へもインタビューを行っています。
今回は、足立区役所様の環境問題への取り組みをご紹介。区民に環境問題への意識を高めてもらおうと、様々な活動を行っています。
そういった環境活動のなかでも
- 「あだち区民環境家計簿」
- 「グリーンスクール事業(緑のカーテン)」
- 「打ち水事業」
をピックアップし、お話をお伺いしました。
谷口 様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
「あだち区民環境家計簿」というサービスはどのようなものなのですか。
以前は、この環境家計簿は冊子として区民の方にお配りしていました。確かに、皆さんその冊子を受け取ってくれるのですが、家に持ち帰って実際に役に立っているかを把握することはできませんでした。いわば、一方通行の状態というわけです。
一方通行ではなく、環境家計簿によって電気やガスの使用量をどれくらい減らすことができたのか、私たちにお知らせしていただくという仕組みにしたかったのです。
冊子の場合はそれが大変なので、足立区Webサイトにおけるコンテンツのひとつとして、この「あだち区民環境家計簿」のページを作り、区民の皆さんに呼びかけたというのがそもそものきっかけです。
足立区のインターネットの普及率はおおよそ全世帯の半数ほどですが、若い人が中心ということもあり、環境への関心という面で定着していくことを期待しました。
実際にあだち区民環境家計簿のWebページを見ていただくと分かるかと思いますが、この活動に賛同していただける場合、氏名や住所、具体的に取り組む内容を入力することができるようになっています。他の自治体でもWebサイトのなかに環境家計簿のフォーマットを作成し、ダウンロードして書き込めるようなものを作成しているのですが、画面から直接入力して区のWebサイトに報告するという仕組みのものは珍しいと思います。このようにインターネットで手軽に利用できること、自分の活動を報告できることが他の自治体とは違う特徴です。
電気・ガス(都市ガスまたはプロパンガス)・水道・灯油の領収書や検針票を見て、データ(使用量)を入力していただきます。これと比較するのは、1年前の使用量です。1年前のデータと比較することで、電気・ガス・水道などの使用量の差が分かるというわけです。
できる限り多くの方に利用していただきたいのですが、今のところは足立区民限定となっています。その理由として、区の温暖化対策の担当という立場から「実際に足立区民の方々がどれだけエネルギーの利用を削減してくれたかを数字にしたい」という思いがありました。
2008年は京都議定書で決められた約束の期間が始まるということもあって、どれくらい区民の方々が熱心に環境家計簿に登録して、省エネ生活に取り組んでいただいたのか数字として発表したかったのです。区民という限定がなければもっと多くの関心のある人たちに集まっていただけるのでしょうが、そうなると区民の努力の結果が分かりにくくなってしまいます。
実際、そのような数字について開示をなされているのですか。
「あだち区民環境家計簿」というWebページを、2007年の7月末に立ち上げました。同時に、区の広報や様々な媒体を使ってPRを行いました。
区長もいろいろな場所で積極的に呼びかけた結果、環境家計簿が少しづつですが浸透してきたのではないかという感じはあります。現在(2008年1月現在)、登録していただいている世帯数として七百数十件というところでしょうか。まだまだ十分な数とはいえませんが、将来的には数万人になればと思っています(2008年1月現在の区民の数は約64万人)。
環境問題を区民のみなさんに理解して実践していただくためには、長期的な目標を設定して、気長に且つ継続的に取り組まなければならないと思っております。
※インタビューを行ったのは2007年12月ですが、2008年1月現在の情報に変更しております
- 足立区民の努力を形に‐「あだち区民環境家計簿」(1)
- 足立区民への浸透は現在進行形‐「あだち区民環境家計簿」(2)
- 環境教育の見直しに一役‐「グリーンスクール事業」(1)
- 実際に体験することが大事‐「グリーンスクール事業」(2)
- 環境問題へ興味を持つきっかけに‐「打ち水事業」
- 環境に配慮できる人の育成が柱