環境家計簿に登録すると、何か特典があったりするのですか。
環境家計簿に登録していただくと、水筒代わりになる「マイボトル」を差し上げております。
登録後、省エネ活動した結果として、電気やガスの使用量を3ヵ月ごとに報告していただきます。3カ月分報告していただくと1000ポイントを差し上げます。
実際にあだち区民環境家計簿のWebページを見ていただくと分かるかと思いますが、この活動に賛同していただける場合、氏名や住所、具体的に取り組む内容を入力することができるようになっています。他の自治体でもWebサイトのなかに環境家計簿のフォーマットを作成し、ダウンロードして書き込めるようなものを作成しているのですが、画面から直接入力して区のWebサイトに報告するという仕組みのものは珍しいと思います。このようにインターネットで手軽に利用できること、自分の活動を報告できることが他の自治体とは違う特徴です。
前年よりも使用量を減らしていただくことが理想ですが、家族が増えるとか、既に省エネに取り組んでいるといった要因なども配慮して、今のところは報告していただくことに対してポイントを差し上げています。
ポイントを貯めていただくと、グッズと交換できるようになっています。スイッチ付きテーブルタップやマイ箸、マイカップなど、もちろん環境に配慮したものばかりです。
足立区のインターネットの普及率は全世帯の半数ほどというお話でしたが、パソコンを使えないご年配の方々などへは、どのようにアプローチをしていますか。
環境問題に関心のある方、あるいはすでに環境に配慮した生活をなさっている方のなかにはパソコンを使えない方も多くいらっしゃいます。
パソコンが使えなくとも参加できるように紙ベースでの参加も受け付けていて、紙で登録したいという方には登録申請書を用意して必要事項を記入していただき、その後も紙でエネルギーの使用量を報告していただいています。パソコンでも紙による登録でも、基本的な流れは同じです。
紙での登録者が増えてしまうと、郵送費がかさんでしまい大変ですよね(笑)。
確かに、現状のように全体の半数であっても大変ですね。しかし、個人の実践が広がるのであれば、経費としては十分見合うものだと思っています。
足立区民の反響はどうですか。
イベントなどを行うと、来場された人から「環境家計簿に登録しました」といったお話をしてくださる方が結構いらっしゃいます。
今では年配の方ばかりでなく、若い世代の登録者も増えてきています。コメントを書くスペースがあるのですが、その内容を読むと若い方かどうかが分かりますね。
区民からのコメントも多種多様で、「日が暮れたら寝るようにする」、「寒くても暖房を使わずに布団に包まっている」といった省エネ方法の他に、マイ箸運動を足立区役所の職員で取り組みませんかという提案型のものもありました。
庁内でも環境の取り組みについての様々な検討を行っておりますが、この1月から足立区の職員はマイ箸の携帯に取り組んでいます。
※インタビューを行ったのは2007年12月ですが、2008年1月現在の情報に変更しております。
登録者数は増えているものの、登録されている方々の顔が見えないというのは残念です。登録していただいた方にさし上げるマイボトルの引換券を区役所に何かご用があったときなどに持参していただき、カウンターでマイボトルと交換するといった仕組みにしていますが、マイボトルをお渡しするときに、少しでもお話をしてコミュニケーションを図っています。
環境家計簿の今後の課題はどのようなものでしょうか。
まだまだ認知度が低いかなという感じはあります。これからはPRに工夫をすることが重要だと考えています。
インターネット上でPRに工夫をしても、パソコンがなければ見てもらえないということはあります。
しかし、環境に対する取り組みはインターネットの有無に関わらず、区民全ての方に関心を持ってもらいたいことなので、関心を持ってもらうためにはどうするべきかが課題といえますね。
- 足立区民の努力を形に‐「あだち区民環境家計簿」(1)
- 足立区民への浸透は現在進行形‐「あだち区民環境家計簿」(2)
- 環境教育の見直しに一役‐「グリーンスクール事業」(1)
- 実際に体験することが大事‐「グリーンスクール事業」(2)
- 環境問題へ興味を持つきっかけに‐「打ち水事業」
- 環境に配慮できる人の育成が柱