今回の「エコなニュース」は、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 JAXA様の取り組みをご紹介。
JAXA様は、宇宙航空分野の基礎研究から開発や利用までを一貫して行う機関です。「宇宙航空分野とエコ?」と疑問に思うかもしれませんが、実は環境への取り組みも数多くなさっているのです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。
前編では「環境レポート(JAXA ECOレポート©)」、子供向けサイト「JAXAクラブ」についてお伺いします。
- 評価・監査室
(元 環境経営担当)
佐藤 様 - 広報部
企画・普及グループ
井上 様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
環境レポート(JAXA ECOレポート©)を編集することになったきっかけはどのようなものですか。
実は、環境レポートの作成は法律によって定められているのです。「環境配慮促進法(※)」という法律で独立行政法人などは環境レポートの作成が義務付けられています。
※正式名称は、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律」という。
でも、JAXAは法によりレポートを作るのではなく、むしろこれをチャンスと捉え、今までの環境への取り組みを積極的に表現する場が与えられたと考えました。
JAXAは、3つの宇宙機関(宇宙科学研究所(ISAS)・航空宇宙技術研究所(NAL)・宇宙開発事業団(NASDA))が合併してできたのですが、「宇宙開発事業団(NASDA)」では、環境への取り組みとして「ISO14001」も早い段階から認証取得していたので、環境レポート(JAXA ECOレポート)の作成というのは自然の流れでした。
JAXAは、科学技術関連の独立行政法人としてロケット打ち上げの大きな現場を持っていますし、プロジェクトでは地球環境に貢献するための観測衛星を打ち上げていますので、ほかの機関とは違った切り口で環境へのアプローチが可能です。巨費が投じられている科学技術集団ですから、JAXAの社会的責務としても環境の分野でトップランナーとなることが期待されていました。実は、宇宙と地球環境は相性がいいこともあって、JAXAはレポート作成では少し得をしています。
どのような形で環境に対する取り組みを行っているのですか。
様々な環境に対する法を守ることを前提として、JAXAは環境への取り組みを行っています。
「ISO14001」を導入している事業所では第三者認証を得ている=環境に関する法律を守っていることになります。また、汚染の予防が行われ、システムの継続的な改善がなされ、それらが、第三者の認証によって担保されていることになります。毎年2回の審査登録機関による審査があり、内部監査も毎年実施されるので、JAXAの環境への取り組みは、とりあえず合格といえるでしょう。さらに、緊急時の迅速な対応や内部・外部の人たちとのコミュニケーションなども、システムとして組み込まれるので活発になります。つまり、「ISO14001」の導入により、環境へのリスクは局所的なその都度対応ではなく、JAXA全体でシステムとして管理することが可能というわけです。
今のところ、相模原と調布の事業所でも「ISO14001」という形ではないのですが、それと同等のシステムを導入して取り組みを実施しています。
そして、事業所ごとに行っている取り組みを、全体で実施できるような案を検討中です。JAXA全体でのリスク管理やCO2の削減などは、横断的に取り組むことができるような体制でないとちょっと弱くなりますので。
- JAXAのプロフィール-環境レポート(JAXA ECOレポート©)
- 分かりやすさを目指した環境レポートを
- 宇宙を身近に感じることができるサイト-「JAXAクラブ」