「JAXAクラブ」とはどのようなものなのですか。
2007年の7月から「JAXAクラブ」というサイトを開始しています。最初は「JAXAキッズ」というサイトがあったのですが、閲覧してくれる人たちをもっと増やしたい、JAXAのファンを作りたいということで「JAXAクラブ」という会員制のホームページを立ち上げました。
「JAXAクラブ」は主に子供を対象としており、記事の作成においても、小学校の高学年の子供たちが十分理解できるように、コンテンツには写真をたくさん掲載するよう工夫しています。JAXAの組織のなかにも子供を対象にした宇宙教育センターがあるのですが、「JAXAクラブ」の目的は、子供たちに少しでも宇宙に興味を持ってもらい、宇宙・航空ファンの裾野を広げたいというところにあります。
「JAXAクラブ」のコンテンツには、宇宙・航空に関する動画(5分程度)と静止画のニュースがあります。宇宙に関するイベント、特に子供たちを対象にしたイベントの紹介も行っています。特集という形で、宇宙飛行士のお話や、今度打ち上げ予定の人工衛星に関する情報を噛み砕いて掲載しています。
「JAXAクラブ」の会員は、どれくらいいるのですか。
PC会員とモバイル会員がいるのですが、両方を合わせると2009年2月末の段階では9,000名ほどになりますね。
PC会員のほうが多いのでしょうか。
そうですね。全体の約7割はパソコンからの申し込みです。携帯電話を持っている小学生は低学年では多くないことが、理由として挙げられるでしょう。
「JAXA宇宙検定」というものがあるのですが、どのようなものなのですか。
月に1回、10問ずつ更新を行うのですが、例えば人工衛星や宇宙飛行士といったテーマを設け、10問の練習問題に答えていただきます。問題自体は3択になっていて、自分が答えと思うものをクリックします。間違っている場合には、きちんと解説が表示されます。
会員制のメリットとして、自分のニックネームを登録することが可能です。回答するとどれだけ正解したかのランキングが表示されるのですが、上位に掲載されるとそのニックネームが残るのです。また、初級・中級・上級の3種類で高得点を取り続ければ、ちょっとリッチなゴールドの会員証が発行されます(笑)。
いつも募集しているものではないのですが、季節によっては「会員の投稿コーナー」というものも設けています。例えば、クリスマスの時期にはメッセージをもらったり、七夕では宇宙に関連する飾りを投稿してもらったりしています。投稿されたものを、ほかの会員も閲覧することができます。
「JAXAクラブ」は、今後どのような方向に進んでいくのでしょうか。
順調に増えているものの、まだ会員数は少ないです。JAXAのホームページには様々な情報が掲載されているのですが、内容が専門的であって、ロケットのことについて知りたいというように、子供が欲しい情報をすぐ見つけることができるような状態にはなっていません。「JAXAクラブ」では、宇宙の百科事典とはいかなくとも“JAXAクラブを見れば、子供でも宇宙のことが分かる”レベルまで情報を増やし、子供でも簡単に情報を探すことができるデータベースのようなものにしていきたいですね。
今のところはWebベースでの活動がメインとなっていますが、JAXAの施設公開などのイベントにも出展しております。「JAXAクラブ」単体で何かするというのは難しいのですが、イベントでJAXAとして出展しているブースの一部を利用して、子供向けに宇宙検定クイズを実施しています。
さらに、会員の特典として「ハローヒューストン!」というものを行っています。「ハローヒューストン!」では、年に3回ほどですが、米国テキサス州のヒューストンで訓練しているJAXAの宇宙飛行士と、TV電話を通じて話ができるのです。これは「JAXAクラブ」の大きな会員メリットといえるでしょう。子供たちには大好評で、みんな宇宙飛行士に活発に質問していました。
「JAXAクラブ」の会員には、宇宙飛行士を目指している子供もいるのでしょうか。
特に小さい子供たちのなかでは、宇宙飛行士の話を聞いて将来は宇宙を目指したいという意見がよく出ますね。
佐藤様 井上様
貴重なお時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。
後編では「温室効果ガス観測技術衛星 いぶき(GOSAT)」、「陸域観測技術衛星 だいち(ALOS)」についてお伺いします。お楽しみに!
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