今回の「エコなニュース」は、「eco検定」でおなじみの東京商工会議所様です。
ちなみに、「eco検定」の正式名称は「環境社会検定試験」といいます。この「eco検定」とはどのようにして始まったのか、どのような試験なのでしょうか。
清水 様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
「eco検定」を始めた経緯についてお聞かせください。
環境問題が深刻化しているということはご存知かと思います。企業の経済活動の振興ということが商工会議所の目的ではあるのですが、それ以前に「社会一般の福祉の増進に資する」ということが大きな活動目的の一つとなっています。そういったこともあって、地域の方々とお話させていただく機会も多いのです。
また、商工会議所では「福祉住環境コーディネーター」の試験を実施しております。これはいわゆるバリアフリー、ご高齢の方や障害をお持ちの方が安心して暮らせる住宅や街を造っていこうという試験です。この試験は、地域のなかで高齢化社会に伴う福祉環境が深刻化してきた背景から生まれたものです。
「eco検定」も同じように、地域のなかで環境問題についての関心が高まり、企業からも環境問題へ取り組みが重要となってきているといった話が挙がるようになりました。そこで、商工会議所として何かできないかということを考えるようになったのです。
環境問題への取り組みというと、クールビズやノーレジ袋など様々な活動が出てきており裾野が広がっていますが、残念ながらまだ一部の人だけが感心を持っているという状況です。そこであらゆる人が環境問題に取り組んで欲しいとの思いから、私たち商工会議所の活動のなかでも、事業者の方以外の一般の方にも知られていて、かつ多くの方に利用していただいている検定試験の仕組みを、環境問題を知ってもらうために活用してみてはどうだろうと考えたわけです。このような形で「eco検定」はスタートしました。
現在「eco検定」の実施は年2回ですが、この回数を増やす予定はないのですか。
実は、会場の手配など「eco検定」の準備には意外と時間がかかります。そのため、回数を増やしてしまうと難しいところもあるのです。「eco検定」は全国で実施されていて、2007年度では137ヶ所、2008年度でさらに40ヶ所近くの受験エリアが追加となります。全国統一形式で行われることもあって、回数を増やすことについては今のところ考えてはいません。
「eco検定」についてPR活動を行わないのですか。
商工会議所ということもあって企業の方とのネットワークはあるのですが、学校や市民の方々とのネットワークは今まであまり持っていませんでした。ただし、一部の学校からは「eco検定」を学生の単位認定に活用したいというお話をいただいております。大学では環境社会学部などが増えつつあり、そこでの環境教育の一環として「eco検定」を活用していただくケースが増えてきているようです。そのため、今後はより一層、学校とのコミュニケーションをはかっていこうと考えております。企業の方に関しては「eco検定」の認知度が徐々に上がってきたこともあり、「eco検定」を社内で推奨していただいているところも増えています。
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