今回の「エコなニュース」は、国内初のエコ・ファースト企業の認定を受けたことでおなじみの株式会社ビックカメラ様の取り組みをご紹介。
株式会社ビックカメラ様では、家電のリサイクルやリユースなど、数多くの取り組みをなさっているようです。その詳細は、どのようなものなのでしょうか。
株式会社ビックカメラ 顧問 株式会社フューチャー・エコロジー 代表取締役社長 加藤周二様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
環境に関する取り組みを始めたきっかけをお聞かせください。
2001年12月にビックカメラグループの総合環境ソリューション企業として、株式会社フューチャー・エコロジー(※以下、FE社と表記)を設立しました。FE社は家電業界初で唯一の法定家電リサイクル事業を展開しており、この設立がビックカメラが本格的に環境への取り組みを行うきっかけになったと言えるでしょう。これを契機として家電リサイクルや省エネ家電の普及、環境配慮型の店舗を現在まで取り組んできました。
これらの取り組みがご評価をいただき、2008年4月16日に、我が国第一号のエコ・ファースト企業として、環境省の認定を受けました。認定式では、当時の環境大臣とエコ・ファーストの約束というものを交わしています。当時は、TVCMなどでもエコ・ファースト企業の認定マークを使用して多くの方々に知ってもらいました。
2011年4月21にはエコ・ファーストの約束の更新を行い、より水準の高い内容となっています。約束の概要は、法定家電リサイクルの適切な実施や携帯電話のリユース、リサイクルをはじめとする3Rの取り組みを積極的に推進することや、エコ・ファースト企業間のコラボレーションを積極的に実施することなどです。
コラボレーションとは、現在(※2012年11月現在)40社が環境省よりエコ・ファースト企業として認定されているのですが、それらの企業間で、業界の枠組みを超えて環境分野においてコラボレーションをするということです。具体的には、NEC(日本電気株式会社)さん、ダイキン工業株式会社さんなどと一緒に、当社のプライベートブランドを開発するなどエコ製品に関するコラボレーションを実施しています。
また、小中学生を含むお客様を対象とした「ビックカメラ エコツアー」を開催して、環境啓発活動を積極的に推進することも、エコ・ファーストの約束に含まれています。ビックカメラでは東京都大田区城南島にある「東京スーパーエコタウン(※)」にリサイクル専門の事業所(株式会社フューチャー・エコロジー)を持っており、そこに小中学生とその保護者の方をご招待して、工場見学や節電への啓発活動を行っています。
※東京スーパーエコタウン事業=東京都の臨海部において、リサイクル施設を集中的に整備すること。
そのほかに、省エネ型製品の普及促進を通じたCO2排出量の削減や、環境配慮型の店舗によるCO2排出量の削減の積極的推進も、約束の内容として掲げられています。
後述する小型家電のリサイクルのモデル事業も、当社の環境活動・CSRの一環として行うものです。今年(2012年)の8月に小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)という新しい法律が成立し、来年4月から施行となるわけですが、同法を円滑に進めていくために、モデル事業をやってみませんかというお話を自治体よりいただいたことで、「九都県市小型家電リサイクルキャンペーン」を、10月1日から11月30日まで実施しています。
エコ・ファースト企業の国内認定第一号ということですが、これは最初の認定を狙っていたのでしょうか。
環境省側からの打診があって、たまたま国内認定第一号になったのです。環境省ではいくつかの企業を候補としていたようですが、当社に偶然にもお話が来たわけです。当時の大臣は鴨下一郎さんだったのですが、大臣はもともと心療内科医でした。
FE社に鴨下大臣が来られたときには、かなり熱心に見学なされていました。そして、自ら投資してリサイクルを行っていることにとても感心し、「規制や取り締まりを中心とした“叱る行政”だけでは環境行政はダメであり、“褒める行政”をしなければならない。いいことに取り組んでいる企業を表彰すべきだ」ということをおっしゃっていました。
それもあって、ビックカメラがエコ・ファースト企業にふさわしいということで、お話が来たというわけです。前述のように複数の候補となる企業があったようですが、当社が最初の認定となりました。当社の数カ月後に、エコ・ファースト企業の認定第二号が決まり、現在では40社にも増えています。
- 第一号のエコ・ファースト企業に認定
- 店舗での「九都県市小型家電リサイクルキャンペーン」の実施
- 内閣総理大臣も家電リサイクルの様子を視察
- リサイクルだけでなくリユースにも取り組める体制
- 法律の施行に合わせて小型家電のリサイクルを積極的に推進