食品(生ゴミ)のリサイクルを行っていますが、そのようなことを行うきっかけについてお聞かせください。
食品廃棄物を再利用するにはどうすべきかということは、ファミリーマートでは常々考えていました。たい肥を作ることなど、実はリサイクル自体に関してはファミリーマートでも12年ほど前から行っています。使えるものは何らかの形で有効に活用するというのが理想的であり、単に捨てて燃やすというのではもったいないといえます。そのような意識もあり、食品循環リサイクル・ループの取り組みを開始したのです。
東京都内の約120店舗から出る余ったお弁当などの食品残渣(食品廃棄物)は、回収して食品リサイクル工場に運び、液状の飼料に生まれ変わります。これが、「リキッドフィーディング」という液状飼料を使った給餌システムです。このリキッドフィーディングによる液状飼料は、千葉県の養豚場で豚のエサとして使われています。衛生的に飼料化を行うために給餌効率はとても高く、通常の飼料製造よりもエネルギー消費を低減することができるのです。このような取り組みを昨年(2008年)4月から開始したのですが、豚が育つのには半年ほど要するものの、1年かかってようやく形になってきたと感じています。
当然ながら、食品廃棄物のリサイクルの取り組みはファミリーマート単独でできるわけではなく、養豚業者や食品廃棄物を運ぶ業者さんなどと一緒に取り組むことで実現することが可能となります。食品廃棄物のリサイクルの取り組みをさらに拡大するには、地域ごとに、そのような業者さんとリサイクルの仕組みを構築しなければなりません。
事前の検証などを十分に踏まえ、2009年5月26日よりリキッドフィーディングで育った、千葉県産の豚肉を使用した豚焼肉丼を発売することができました。
現状では食品廃棄物の回収はまだ一部の地域に限定されており、食材も限られてはいるものの、さらなる展開をしていきたいですね。まだ特定の地域・期間に限定した取り組みではありますが、まずは第一歩を踏み出したといえるのではないでしょうか。
廃食用油のリサイクルもなさっていますが、そちらについてもお聞かせください。
実は、日本ではかなり昔から廃食用油専門の回収業者が存在し、使い終った食用油(廃食用油)のリサイクルがなされているのです。廃食用油というのは様々な用途があり、石鹸の原料になったり、家畜のエサに添加物として混ぜたり、一部はシャンプー・リンスの原材料としても使われています。
兵庫県の業者が廃食用油からハンドソープを作る技術を持っていることを知り、ファミリーマートから出る廃食用油を回収してもらい、そこから製造された薬用ハンドソープを店舗で利用するようになりました。これにより、ひとつのリサイクルの輪が形成されることとなります。
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