チェーン全体で取り組んでいる、「自主参加型排出量取引制度」についてお聞かせください。
50店舗限定での取り組みなのですが、排出量取引のベースとなる二酸化炭素(CO2)排出量削減の目標値を宣言し、省エネ設備などの整備に対する補助金と排出枠の交付を受けるというものです。2008年10月21日に排出量取引の国内統合市場(環境省と経済産業省)が誕生しましたが、ファミリーマートでは誕生当初から参加しています。
排出量取引制度を導入した50店舗において、1店舗における電気の使用量に基づく二酸化炭素排出量を削減しようと取り組んでいます(店舗では電気エネルギーのみを利用するため)。2005年度から2007年度の3年間の平均排出量と比較し、1店舗あたり年間10tとして、2009年度の二酸化炭素排出量については、500tの削減を目標とすることを環境省と約束しました。現在は、その約束の達成に向けて取り組んでいます。
コンビニエンスストアでは10年に1回、フランチャイズ契約の更新がなされます。そして、契約更新時には店舗の全面改装を行います。全面改装のタイミングで新しい省エネ設に切り替え、電気の使用量を従来よりもさらに削減することを可能にするわけです。
店舗では、統合熱利用システムなども導入しているそうですが。
エアコンを設置している住宅では、室外機があると思います。エアコンと室外機はセットになっているわけですから、エアコンを2台設置すると室外機も2台となります。
現在ファミリーマートで行っている省エネ設備では、冷蔵・冷凍・空調という3つの温度帯につき、1台に統合された室外機でまかなっています。このような仕組みで総合的に熱管理を行い、電気の使用量を抑えるという形を採用しているのです。
店舗の照明に関しては、店舗内の天井を5つのゾーンに分けて管理しています。雑誌のある「まどぎわゾーン」は、一面の窓ガラスにより太陽光を有効に活用することができるため、そこの蛍光灯はほかのゾーンよりも若干暗くしているのです。そして、店舗の「中央ゾーン」の蛍光灯は一番明るくしています。そして、店舗内の一番奥である「店奥ゾーン」の蛍光灯では、中央ゾーンよりも明るさを抑えています。店奥ゾーンのケースには缶ジュースやビールなどの商品が入っていることは、コンビニエンスストアを利用したことがある方ならご存知でしょう。ケース内の商品はバックライトが当たっているので、照度を調節しているわけです。
ファミリーマート店舗における省エネの取り組みは、このように目に見えない部分でもしっかりと行われています。新しい技術を積極的に取り入れ、できる限り環境負荷の少ない店舗を常に追い求めています。
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