ホテルニューオータニ

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「循環型社会」をキーワードに、「ホスピタリティ」と「環境」を両立

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ホテルニューオータニ

環境活動を社内に浸透させる事について苦労されている企業も多い中で、御社は様々な工夫で社員の方々を巻きこんでいますね。

そうですね。最近ではこういった活動が、「環境保全」の枠を超えて“ホスピタリティ価値を高める事につながる”という事例も出てきています。ザ・メインにあるレストラン「VIEW & DINNING THE Sky」で、「生ジンジャーエール」というリサイクル堆肥で育った生姜を原料にしたドリンクをご提供しました。このメニューの開発には、ホテルニューオータニの環境推進を司る「環境省エネ推進委員会」のメンバーだったレストラン担当の者が関わったのですが、“リサイクル堆肥で作った生ジンジャーエールは、ホテルニューオータニにしかできない”という発想でメニュー化となりました。

この「生ジンジャーエール」のような発想は、施設担当の私ではとても思いもつかないことです。社員一人ひとりが、ホテルニューオータニの環境っていうのは何だろう?と向き合って考え、それを、あるところでは従業員食堂で入れてみたらどうだろうかとか、あるところではドリンクに使ってお客様に提供してみたらどうか、というような形で行動となって表れてきています。

いわば“環境ニューオータニズム”を醸成できているのですね。その他に、社員を巻き込むためにどういった取組みをなさっていますか?

教育という側面に加えて、環境コミュニケーション冊子作ったり、ステッカーやポスターを作ったりしています。これらに使われているキャラクターは、全てホテルニューオータニで働く社員がモチーフになっており、実際の制服を再現したりしています。親近感を醸成するとともに、環境を“他人事ではなく自分事”にするという点で効果を発揮していると感じています。

ホテルニューオータニ エコガイド
スタッフがモチーフとなったステッカー

「環境」というと、成果がなかなか見えにくく少し面倒な事に対して、頑張って取組む、という側面もあると思うのですが、ホテルニューオータニは社員の方々が自発的にボトムアップで取組めているように見えます。

そうですね、でもここまで来るのに時間はかかりました。「省エネ」切り口ではなく、「環境」を推進したこの10年近くの間で、様々な工夫を通して徐々に意識を変えてきたという方が正しいかもしれないですね。推進当初の数年間は、大変だったと思います。

今では一人ひとりに根付いて、先ほどもお話ししましたが、「環境」がホスピタリティ価値を高めたりもしています。その他にも、ニューオータニの環境施設を見ていただくなどの私たちの取組みを「エコガイドツアー」として宿泊やレストラン利用とパッケージ化して販売し、ホスピタリティ価値やニューオータニのブランド価値の向上につなげています。このツアーには、国内外から年間1000人以上の方々にご参加いただいています。

環境施設の見学

年間1000人以上ですか、すごい数ですね!

私達は、どの部署にいても“一人ひとりがホテルマン”で、常に“お客様に喜んでいただくには、どうしたらいいか”を考えています。環境も、その切り口の一つとなっていると実感しています。

三浦様、
貴重なお時間のなか、ホテルニューオータニの様々な取組みをお聞かせいただきまして、ありがとうございました。「省エネ」が「環境」につながり、社員への浸透を通して「ホスピタリティ」と両立、さらにはその価値を高めているという点が非常に印象的でした。

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