環境とは少しテーマが異なりますが、「IKEA Social Initiative」という取り組みも行っていますね。
確かに、2005年にスタートした「IKEA Social Initiative」という取り組みは、環境というよりも社会貢献や社会責任という側面のほうが強いですね。
ただし、環境問題から発展して社会責任として行われているものや、人に対する責任として行われる活動も「IKEA Social Initiative」には含まれています。
イケアでは、企業理念として“子どもこそが世界で一番大切な人たち”と考えています。しかし、恵まれない環境下で生きている子どもたちは、残念なことに世界で数多く存在します。そこで、イケアではまず1億人の子どもたちを助けるための活動として、「IKEA Social Initiative」をスタートしました。
イケアのストアにおける売上額は、もちろん利益という形で算出されるわけですが、利益から従業員に支払う給料分を引いた分のお金は、いかに低価格で製品を提供できるかを見直すための投資、ストアの維持費や進出のための費用、さらには子どもたちをより多く、早く助けるための投資に分配することを当社のポリシーとしています。
イケアは現在ではグローバルの規模に成長することができ、UNICEFなどのパートナーとしては一番の寄付企業にまでなりました。それほど、当社では恵まれない環境下で生きている子どもたちを助けることを重要視しているのです。
イケアが直接寄付するだけでなく、お客様と協力して寄付するのが「ソフトトイキャンペーン」です。当社の製品にはぬいぐるみもラインナップとしてあるのですが、このキャンペーンは、どのようなぬいぐるみでもいいので1個購入していただいた場合に、1ユーロ(※おおよそ100円)を子どもの教育プロジェクトに寄付するというものです。実は1ユーロもあれば、子ども1人が鉛筆・鉛筆削り・色鉛筆・ノート・消しゴムを手に入れることができるのです。
また、イケアでは「スッナン(SUNNAN)」という太陽電池式ワークランプを販売しているのですが、お客様がこの製品を1個購入していただくと、UNICEFやSave the Childrenという団体を通じて光のない国の子どもたちにスッナンが1個寄付されるという、「スッナンランプキャンペーン」も展開しています。スッナンの台にはソーラーパネルがついており、LED電球を採用しています。しかも、途上国に送るものについては、高温多湿の耐えることのできる電池を採用するなど、厳しい生活環境下におけるヘビーユースに対応できる仕様になっています。
「ソフトトイキャンペーン」と「スッナンランプキャンペーン」は、お客様の協力が必要なものですが、それ以外の活動は、イケアが利益のなかから寄付をしています。
このような取り組み一つひとつについて、イケアから積極的に情報発信していこうという方針になったのは、数年前からなのです。お客様に社会問題や環境問題について意識していただくように、今後は当社から情報発信していく予定です。イケアでは当前のように行っていたことが、実はサステナブルな取り組みだったと気づいたのは最近というぐらい浸透していたので、あえて情報発信をする必要はないと考えていたのです。
現状に満足することなく、常に改善していくという意味で「終わりなき取り組み(The Never Ending job)」として、より責任あるイケアを目指していきます。
ストアでは、特にどのような製品が人気なのですか。
製品数が多いので人気は分散する傾向はありますが、日本のストアではソファーや収納関連の製品が売れています。グローバルで見た場合には、キッチンが人気ですね。ご存じない方も多いかと思いますが、実はイケアはキッチンメーカーなのです。
- 環境への取り組みはごく自然なこと-「IWAY」
- 見栄えがいいだけではない-「環境に配慮したデザイン」
- 厳格な森林管理基準-「サステナブルな原料調達」
- 「IKEA Goes Renewable」と水資源への取り組み
- CO2排出量の削減-「気候変動防止プロジェクト」
- 世界で一番大切なのは子どもたち-「IKEA Social Initiative」
- イケアの終わりなき取り組み-「The Never Ending job」