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日本の翼JAL。航空機による大気観測で分かった 意外な事実とは?

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「CONTRAILプロジェクト」を立ち上げる際に、苦労した点などはありますか。

機体を改造するリスクやコスト、フライト以外の目的に機内のスペースを使うことについて、多くの議論や各種手続きが必要でした。

現在でもそうですが、機体に新しいものを搭載・装備するとなると、空を飛ぶための厳しい検査を通過しなければなりません。自動車で言うところの車検のようなものです。

飛行機の場合には、ネジや棒1本でも取り付けるとなると、耐空性(安全に空を飛べること)の観点から、通常の機体とは“全くの別物”として取り扱われます。厳重なチェックにより、耐空性を満たしていることを確認する必要があるわけです。機体は米国で製造されているので、米国と日本の航空局の確認が必要になります。現在、ASEとCMEを搭載した機体が8機のみというのには、このように観測機器の搭載には非常に多くのハードルがあり、簡単にはいかないという理由もあります。

また、観測装置の搭載・観測は当然のことながら運航の安全を十分に確保したうえで行われています。さらに、観測装置そのものも、航空機への搭載に要求されるさまざまな安全性のテストをクリアしてきているのです。

過去に経営破綻を経験していますが、その時期でも「CONTRAILプロジェクト」を存続することは、企業全体の意志としては変わらなかったのですか。

破綻時は当然のことながら、本プロジェクトを継続するか否かについて、社内で大きな決断をしなければならないときがありました。

しかし、それまでに長い年月をかけてこの観測に取り組んでおり、その重要性は会社としても理解しておりましたし、会社が再生を果たした暁には、社会の一員として貢献し、企業としての責任を果たしていかなければならないという強い意志がありました。

本プロジェクトへの参加は、そのための重要な柱のひとつとして考えられたため、当社が最も苦しかった時期にも参加を続けることを決断したのです。

苦しい時期を乗り越えて続けていることもあって、「CONTRAILプロジェクト」は環境関連の賞を受賞されたそうですね。

日立製作所様の財団のひとつである、「公益財団法人 日立環境財団」様が主催される平成25年度の環境賞において、優秀賞と環境大臣賞を受賞いたしました。

これは、環境に貢献するプロジェクトや研究を表彰するものなのですが、このプロジェクトは、地球規模の環境問題に正面から取り組んでいること、社会的に大きく貢献していることなどが高く評価されました。

また、航空会社にしかできない取り組みとして当プロジェクトを長い期間にわたって継続している点などが高く評価され、毎日新聞社様と朝鮮日報社様が主催される日韓国際環境賞も受賞することができました。

両方の賞で特に高い評価をいただいたのは、“官民連携の好例になっている”という点です。「CONTRAILプロジェクト」は国立環境研究所や気象庁気象研究所、JAL財団、株式会社ジャムコがメンバーとなっており、それら5者の協力のもとで進められています。


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