今回の「エコなニュース」は、株式会社JTB関東様の取り組みをご紹介。
「旅行とエコ?」と驚く人もいるかと思いますが、実は、旅をしながら環境に貢献できるエコツアーブランド「GREENSHOES」を展開なさっています。
この「GREENSHOES」とはどのようなサービスなのでしょうか。
樋口 様
早速ですが、よろしくお願いいたします。
「GREENSHOES」というサービスを立ち上げた経緯についてお聞かせください。
2006年4月、弊社は全国15の会社に分社化いたしました。JTB北海道やJTB九州、そしてこのJTB関東も誕生となったわけです。その後、JTB関東に「交流文化事業チーム」が設立されました。このチームは、これから人口も減少し旅行需要も縮小していくなかで、旅行に関連した新規ビジネスを企画するものとして立ち上がったのです。
年間で約1,000人の異業種の方々と会ってお話したのですが、「環境」というテーマが話題に上がるようになってきました。ちょうどその頃でしょうか、「地球温暖化のニュース」を目にして、海水面の上昇によって海岸の砂浜が埋まるという最悪のシナリオがあることを知りました。
そのニュースを見て、子供たちが将来ハワイにハネムーンに行くということが「昔話」になってしまうのではないかという危惧を感じたのです。そうなってしまうと子供たちが可哀想ですし、旅行業界としても仕事がなくなってしまうわけです。これは非常に深刻な問題だなと感じました。そこで、「交流文化事業チーム」におけるテーマのひとつとして、「子供たちが将来も旅ができる地球を残したい」ということを掲げました。
2006年7月、JTB関東として何ができるかということで、「ソニー・ミュージックコミュニケーションズ」様、「環境エネルギー政策研究所」様と一緒に環境に関する新規事業について話し合う場を設け、研究開発を開始いたしました。
研究開発といっても企業である以上、ビジネスとして利益を生まなければなりません。そこで、環境と旅行というものをメインにして、どのようなマーケットに商品を展開すべきかということを考える必要がありました。
次のピラミッドの図を見ていただきたいのですが、これは弊社で「エコのピラミッド」と名付けているものです。縦軸はエコの行動レベル、横軸はエコ行動の人口を表しています。日本のほとんどの方は、現在は一番下のレベルCの状態といえるのではないでしょうか。このエコの行動レベルを野菜購入に例えて説明すると、次のようにいえるでしょう。
- レベルA:自宅から100km圏内の無農薬野菜しか購入しない人
- レベルB:日本国内における無農薬野菜を購入する人
- レベルC:バーゲンでたまに安く売られている野菜を購入する人
旅を切り口として、レベルCの方々に「エコ行動」を行う機会を提供していきたいと考え、マーケットとしてこのような方々に絞り込みました。
ちなみに、2006年に「不都合な真実」の試写会を鑑賞したのですが、そのときに「環境問題やエコは社会現象になるだろう」と直感しました。そのことも、環境に関する新規事業立ち上げの要因となったといえるでしょう。
- 心にも優しい靴を‐「GREENSHOES」
- 社内意識を変えろ‐「JTB関東エコウィーク」
- 「地球にやさしい靴で行きたい。」
- 旅行にかかる電力はいくら?‐「CO2ゼロ旅行」
- 「GREENSHOES」はさらに前進する