株式会社JTB関東

サービス・その他

心にも優しい靴を‐「GREENSHOES」

56_jtb_grph_03

株式会社JTB関東

「GREENSHOES」というサービスで苦労した点は何ですか。

「カーボンオフセット」というものを、なかなか分かってもらえないということでしょうか。「カーボンオフセット」を社員に説明する、そしてその社員がお客様に説明して販売するといったステップにおいては、「カーボンオフセット」というものを理解してもらわなければならないというハードルがあるわけです。

そもそも「カーボンオフセット」というのはひとつではなく、大きく次の3つがあることをご存知でしょうか。

  • 植林活動
  • 排出権の購入
  • 自然エネルギーの購入

自然エネルギーの購入では、日本国内のどの発電所でお支払いただいたお金が使われるのかが分かるのです。日本における自然エネルギーの普及率はまだ低いのですが、これをイギリスやドイツ並みに10~20%に増やすためにお金を使うことは正しいのではないか思っています。子供たちが将来も旅行のできる地球を残したいというお話をしましたが、自然エネルギーが普及すれば、将来石油が枯渇しても日本国内で自給ができると信じています。

目に見える範囲でお支払いただいたお金が使われているのであれば、お客様にも納得していただけるはずであり、日本の将来のためにも必要ということで自然エネルギーの購入を選択したわけです。

具体的な「GREENSHOES」の導入例はありますか。

始めの頃は料金に500円ほど多く支払っていただき、CO2ゼロに貢献できる旅行をしましょう、あるいは海辺でビーチクリーニングをしましょう、自分の箸を持って行きましょうというように、テーマを並べる形でお客様に提案をしていました。

以前、ある企業様の社員旅行にそのような提案をしたのですが、逆に「旅行ではその様なことを考えず十分楽しみたい」といったご意見をいただきました。しかし、「お金を支払う形でも地球環境に貢献できるなら是非」とおっしゃってくださったのです。その意見に心意気を感じたと同時に、確かにお客様は旅行を楽しみに来ているのであって、自分がいかに環境問題を履き違えているかということに気付かされました。そこで「旅行は十分に楽しんでいただきつつ、お金を少し支払うことで地球にいいことをしていただく」というスタンスに変えることにしたのです。

エコの旅行だからといっても、普通の旅行と異なるところはありません。あえて違う点を挙げるのであれば、出発セレモニーのときにグリーン電力証書の前に集まって記念写真を撮る、バッジを配る式がある、CO2排出量を算出してお金をいくらお支払するかという「カーボンオフセット」の説明をするといったところでしょうか。

「GREENSHOES」というサービスについて、お客様からの反響はありましたか。

お客様の反響という面では、単に旅行するところに少しお金を支払って環境活動ができたという意味で、会社のCSR活動に役に立っているという声が寄せられていることでしょうか。今のところは法人中心に販売していますので、このようなご意見をいただいております。企業の研修などに広く利用していただきたいと考えています。

現在この「GREENSHOES」というサービスは、法人の旅行や学校の修学旅行を中心に販売しています。「カーボンオフセット」について窓口に来るお客様に説明していたら、日が暮れてしまうといったことがその理由だったのですが、先ほどお話したとおり、最近の環境問題への意識の高まりを無視できないこともあって、2008年4月以降は正式に全国のJTBで販売することになりました。各支店の窓口に印刷物を置くようにして、個人の方にも販売していきます。そもそもJTB関東ローカルで始まったものなのですが、全国展開を行うという流れになったことは嬉しいですね。

樋口 様
貴重な時間のなか、取材にご協力いただきありがとうございました。
旅行を十分に楽しみながら、環境にも貢献できるというのは素晴らしいと思います。
全国展開に期待大です。


関連記事一覧

タグ