ティンバーランド ジャパン株式会社

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ティンバーランド ジャパン株式会社

ほかにも、環境に配慮した素材を使ったモデルがあるのですか。

2007年に「アースキーパーズTM」コレクションを発表したときは、小さなコレクションでした。しかし、現在(※2013年4月現在)では、より幅広いラインナップに、リサイクル素材やオーガニックコットンなど環境に配慮した素材を使用した商品を展開しています。

オーガニックコットンを使った商品にはどのようなものがありますか。

さまざまな商品に使われていますが、春夏モデルであればTシャツやジャケットなどです。ほかにも、シューズのシューレース(靴紐)やライニングでも使用されています。

分解できる商品があるそうですが、それはどのようなものなのですか。

それは、2009年に展開をスタートした「アースキーパーズ2.0」という商品プログラムです。物により異なりますが、「アースキーパーズ2.0」では履き終えた後に分解して、少なくとも50%以上は新たな商品の素材として再利用することが可能です。

「アースキーパーズ2.0」ブーツ

「ゆりかごから墓場まで」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、当社では「ゆりかごからゆりかごまで」を目標に、循環型の商品への移行を積極的に進めています。

「アースキーパーズ2.0」では取り外しがしやすいように、ソールとアッパー部分のレザーを接着しています。ラバーソールは溶かして再利用することが可能です。また、アッパー部分のレザーは、主にアクセントレザーとして使用できます。

実際にショップなどで回収をするのですか。

そうですね。商品の購入後に登録をしていただき、直営店であればどこでも回収を行います。もちろん、送っていただいても構いません。

「グリーンラバーTM」についてお聞かせください。

「グリーンラバーTM」は、もともとは廃タイヤをリサイクルすることからスタートした素材です。現在は廃タイヤではなく、ゴム製品をつくるときに出る「端切れ」などをリサイクルした素材です。

ティンバーランドでは、この「グリーンラバーTM」をシューズのアウトソールなどに使用しています。リサイクルラバーの割合は約42%で、シューズのパフォーマンス性を保ちつつ、環境に配慮した素材のバランスを取っています。

「GREENスタンダード」という基準を定めていますが、どのようなものなのですか。

「GREENスタンダード」とは、私たちが働く地域社会で社会貢献活動(ボランティア活動)を行う際、どのような団体と、どういった活動を行うべきか明記されたガイドラインです。

私たち社員には、1人当たり年40時間の社会貢献をするための有給休暇が与えられているとお話ししましたが、その時間を使うためにグローバル規模でイベントを実施しています。毎年4月の「アース・ディ」と、9月の「サーブ・ア・パルーザ(Serv-A-Palooza)TM」というティンバーランド独自のボランティア活動を行う日の年2回、社員が参加できるイベントを開催しています。

どちらのイベントも、オフィスを1日クローズして全社員が、コミュニティ活動や地域社会に貢献できる活動を実施しています。

ほとんどのケースでは、NPOやボランティア団体と一緒に活動を行っているのですが、その際、どういった団体とどのような活動をするかのガイドラインが明記されたのが、「GREENスタンダード」です。

「グリーン インデックス」評価システムとは、どのようなものなのですか。

「グリーン インデックス」評価システムは2007年にスタートした、原材料の生産から商品の製造までの全工程において、その商品が与える環境への影響についてスコアリングを行うものです。一部を除いて、当社の商品を購入していただくと、箱の中にスコアが明記されたカード入っています。

「グリーン インデックス」評価システム

具体的には「気候への影響」「化学物質の使用」「資源の消費」という大きな3つの指標について評価を行い、0から10までのうち、数字が小さいほど商品の環境負荷が小さいことを意味します。

「気候への影響」という指標では、素材から商品の製造に至るまでの全工程で排出されたCO2の量をチェックします。靴を1足つくるのに100kg(あるいはそれ以上)ものCO2が排出されるような場合には、「10」というスコアがつけられます。そして、CO2排出量が2.49kg以下であれば「0」となります。

2つ目の指標である「化学物質の使用」では、「PVC(Polyvinyl Chloride/ポリ塩化ビニル)」と呼ばれる焼却したときに有毒ガスを出すような、環境負荷の大きいものを使用していないかどうかをチェックします。

最後の指標である「資源の消費」では、どの程度リサイクル素材やオーガニック素材などの環境に優しいものを使っているかをチェックします。

これら3つの指標を総合的に判断してスコアリングを行い、ティンバーランドの商品がどの程度環境に負荷を与えているかをお客さまに伝える取り組みなのです。

「ソーシャルプロダクツ・アワード」というものに選ばれた商品があるそうですね。

今年(2013年)、「ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA/Social Products Award)」というものが開催されたのですが、その受賞商品に当社の商品が選ばれました。

ソーシャルプロダクツというのは、環境に配慮した素材やオーガニック素材などを用いた、人や地球に優しい商品やサービスのことを意味します。そのような商品やサービスの普及・推進を目的とした表彰制度が「ソーシャルプロダクツ・アワード」です。

受賞した商品は、使い古されたフィッシングネット(漁網)をリサイクルした、「ReNet(リネット)TM」ナイロン素材を使用した「ウォータープルーフ ワーフ ボンバー ジャケット」です。「ReNetTM」ナイロンは耐摩耗性や透湿性に優れていることに加えて、軽いという特徴があります。

ウォータープルーフ ワーフ ボンバー ジャケット

漁業で使う網がリサイクルされているとは知りませんでした。

このジャケットは、海洋環境汚染の原因のひとつに挙げられている廃漁網のリサイクルにより、ごみの削減に貢献することに加えて、商品が企業理念に基づいているという点を高く評価していただいたようです。「ReNetTM」ナイロンを素材とする商品は、ジャケット以外にもハットなどがあります。


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