駅においても、環境に配慮した取り組みの実施や設備の導入をしているようですね。
一番分かりやすいのが、切符(乗車券)のリサイクルではないでしょうか。基本的に、駅で排出されるゴミは、分別のうえリサイクルを行っています。切符は、改札で回収した後にオフィス内で発生した紙ゴミなどを配合のうえ、駅で使用されるトイレットペーパーやリサイクルボードに100%再生しています。
また、磁気定期券などのプラスチック製のカード類は、固形燃料にリサイクルしています。2007年3月からはICカード(PASMO)を導入しています。お客様にICカードをご利用いただくことで、紙を使った切符の発行枚数の削減にも貢献しています。
自動改札機自体もリサイクルされているそうですね。
機器の更新が必要となった自動改札機や券売機などは手解体により、電線や廃プラスチックなどに分別を行い、それらを素材ごとに細分化し、徹底的な再資源化によるリサイクルを行っています。
「電力回生ブレーキ」により発生する電力を、電車だけでなく駅舎にも利用しているというお話でしたが、もう少し詳しくお聞かせください。
具体的には照明やエレベーター、エスカレーターの動力として利用しています。
また、各線の駅舎に補助電源装置を設置して、「電力回生ブレーキ」により発生する電気を送り、駅施設に活用するシステムの導入も進めています。東西線の駅では、昨年(2013年)に実験を行っており、導入の準備段階となっています。回生電力は直流なのですが、補助電源装置により交流へと変換して付帯用電力としての活用を検討しています。
東西線は各駅間の距離が長いということもあり、前後の電車の運行間隔も空いているので電力ロスが発生する恐れがあるのですが、補助電源装置により回生ブレーキの電力を送ることができれば、エネルギーの無駄も大幅に改善されるはずです。
駅では「氷蓄熱空調システム」も導入をしているようですね。
「氷蓄熱空調システム」は氷蓄熱槽という“巨大な冷凍庫のようなもの”のなかに夜間電力を利用して氷をつくり、翌朝の始発の時間に合わせてそれを溶かし、冷気を空調から送風するシステムです。副都心線雑司が谷から明治神宮前間の各駅や、半蔵門線清澄白河駅、押上駅など14駅で採用しており、1日の電力消費のピークとなる昼間の電力負荷を軽減しています。
駅冷房を考慮したうえで新設した駅は、氷蓄熱槽を置くスペースを最初から設けることができるため、基本的に、「氷蓄熱空調システム」は開業時期が新しい路線に導入しています。古い路線の場合には氷蓄熱槽を置くスペースがありません。銀座線などの古い路線ができた当時は、そもそも駅冷房という概念がありませんでした。
- 東京オリンピックの開催される2020年までに何ができるか
- 地下鉄という特徴を踏まえたうえでの環境配慮
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- 車両だけでなく、駅舎にも環境配慮技術や設備を積極的に導入
- 事業展開を通じて、環境負荷低減と魅力・活力あふれる東京の実現