三井物産株式会社

商社・卸売業

社有林も「三井物産環境基金」もすべては持続可能な社会の実現のために!総合商社ならではの取組みに迫る!

出典:G7伊勢志摩サミット公式ホームページ

伊勢志摩サミットにおいて「三井物産の森」の木材が使われました
(出典:G7伊勢志摩サミット公式ホームページ)

三井物産株式会社

子ども達に“考える力”を身につけてほしい :: 三井物産のCSR・環境活動

社外に対する環境の大切さを伝えていく活動について教えてください。

近藤氏:「出前授業」という形式で、小学校から高校まで各地の学校に出向き、森林や林業の大切さを教える授業を展開しています。先ほど話に出た「森のきょうしつ」も環境教育・啓発の取組みの一つですし、同じ名称で山林について解説している子ども向けのウェブサイト、前述の「森のきょうしつ」も公開しています。

出前授業に関しては、貴社から学校や自治体に向けてお声掛けされるのですか?

近藤氏:ありがたいことに、学校側から応募を寄せていただくことが多いです。大手新聞社の環境教育プログラムで制作した「地球教室」という学校向けの冊子があり、三井物産の環境分野の取組みが紹介されたことから、冊子に興味を持った先生よりお手紙をいただくこともあります。

三井物産「サス学」アカデミーというプログラムも開始して、2016年で3回目の開催となります。“未来づくり”をコンセプトに、“サステナブル(持続可能)”な社会を作っていくために何が必要かを子ども達に学んでもらう企画です。こちらはウェブサイトや新聞広告で全国から参加希望者を募り、5日間のプログラムとなっています。

占部氏:東京での開催ですが、夏休みということもあり、全国各地・海外からも参加者が集まって下さいます。「サス学」アカデミーの内容は、当社が実際に進めている事業をピックアップし、関係する営業部の社員と連携して子どもに伝わりやすい方法を考えています。そのため、開催年によってテーマが変わります。昨年度は、当社が手掛けるマレーシアのイスカンダール地区におけるスマートシティ開発案件を題材とし、“2050年の未来都市をつくる”という内容にしました(図7参照)。将来的に必要なものごとや、解決しなければならない課題などを考えた上で、どのような仕事が必要になるか、どのような都市にすれば課題を解消できるかをチームで議論し、最終日に発表するというものでした。

図7:「サス学」開催風景
図7:「サス学」開催風景

子どもは発想が自由で面白いです。「三井物産の森」をテーマに森林率について学ぶと、「土地の99%を森林にする」と提案したグループがありました。「人はどこに住むの?」と聞くと、「地下にスペースを作る」と話すのです(笑)。子ども達には事業や教育活動を通じて物事のつながりを考え、未来を創る力を身につけてもらえたら嬉しいです。

占部氏

社内に向けても社会全体に対しても、情報発信を重視している印象を受けます。

近藤氏:考えるだけでなく、実行し、伝えていって、「繋がる」ことが重要だと考えていますし、CSRや環境活動はコンプライアンスや内部統制などと同じで、終わりがないものだと思っています。

社内での浸透活動を続けてきた成果も見え始めています。「三井物産環境基金」で助成している「谷津田再生プロジェクト」という里山再生の取組みにボランティアを募ると、回を重ねるごとに希望する社員が増加しています。子どもも参加できる機会が多いので、家族と一緒に参加する社員が多くいます。環境問題に触れていくことで、仕事の中でも環境や社会とのつながりを考えられるようになってほしいという思いがあります。

一方、若い社員の意識変化も実感しており、社会貢献に対する意識が高まっています。幼い頃から環境問題が提起されていたからかもしれませんが、環境とビジネスの関係を、若い世代は当然と考えているように感じますね。

いずれにしても、世代は変わり、事業も進化していきますから、「これで十分」とは言えません。そこにやりがいがあると実感しています。

近藤氏と占部氏

近藤様、占部様、貴社の方針から様々な体験談まで、盛りだくさんのお話をどうもありがとうございました。
森林の保全や基金による環境研究等の支援を長く継続的に実施され、それが、様々な形で成果に結びつき、かつその成果が拡がっていることを感じ、あきらめず続けることの素晴らしさに感銘を受けました。世代が変わりながら、これらの取組みが益々発展していくことを思うと今後の活動も大変楽しみです。

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